未来に伝えるべき“物語”を求めて 円城塔 長尾真 第1弾【3】  デジタル時代に、残していくべき文化とは、またその形とは?
今日的な電子図書館作りに取り組む国立国会図書館長と、自らが「物語生成システム」そのものになることを願う作家の本音と、密やかな願い。
シリーズ第1弾・最終回でふたりが辿り着いた結論。
『烏有此譚』(円城塔)





『Self-Reference ENGINE』(円城塔)





『電子図書館 新装版』(長尾真)





『書物と映像の未来――グーグル化する世界の知の課題とは』(長尾真・遠藤薫・吉見俊哉 編)





『ブックビジネス2.0 ウェブ時代の新しい本の生態系』(岡本真・仲俣暁生 編・著/金正勲・津田大介・長尾真・野口祐子・橋本大也・渡辺智暁 著)





『カオスの紡ぐ夢の中で』(金子邦彦/解説:円城塔)

円城塔(えんじょう・とう)

1972年、北海道生まれ。作家。東北大学理学部物理学科卒、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。06年『Self-Reference ENGINE』(現在ハヤカワ文庫)で第7回小松左京賞最終候補。07年『オブ・ザ・ベースボール』(文藝春秋)で文學界新人賞を受賞しデビュー。同作品で第137回芥川賞候補となる。2010年、『烏有此譚』(講談社)で第23回三島由紀夫賞候補、第32回野間文芸新人賞受賞。ほか著書に、『Boy’s Surface』『後藤さんのこと』(ともに早川書房)など。

長尾真(ながお・まこと)

1936年生まれ。京都大学工学部教授、京都大学総長、独立行政法人情報通信研究機構理事長を経て、2007年国立国会図書館長に就任。専門は、自然言語処理、画像処理、パターン認識、電子図書館など。2010年には『電子図書館 新装版』(岩波書店)、『情報を読む力、学問する心』(ミネルヴァ書房)と、共著で『書物と映像の未来――グーグル化する世界の知の課題とは』(岩波書店)、『ブックビジネス2.0』(実業之日本社)を刊行。ほか主な著書に『「わかる」とは何か』(岩波新書)など。

*著者より

 「巫山戯(ふざけ)ている」と「真面目」は多分両立することができまして、真面目に巫山戯るというのとはちょっと違います。真面目にやっているのに巫山戯たことになってしまう、巫山戯ているのに真面目なことになってしまう、どちらも大変よく起こったりするわけですが、基本的には不本意です。
 つまり何を言いたいのか申しますと、おまえは長尾さんに向かって何を言っているのかと、巫山戯ているのかとお怒りの向き、巫山戯ているのはこの世の法則のほうなのだと何卒御寛恕(かんじょ)頂ければと。(円城塔)


 コンピュータはどこまで人間の能力に近づいてゆくのだろう。
 介護ロボットなども実用に近づいているが、人の心を察し、適切に対応するロボットも不可能とは言えないだろう。しかし円城さんのように本当に創造的な著作物を作れるところまでゆくのかどうか、興味のあるところである。(長尾真)