
古屋兎丸の初期重要作を収録した『禁じられた遊び』が刊行、
しかも表題作は今回初公開となる、15歳当時の作品です。
そんな古屋氏の青春初期衝動エピソードをお聞きしました。
しかも表題作は今回初公開となる、15歳当時の作品です。
そんな古屋氏の青春初期衝動エピソードをお聞きしました。
──ちなみに初恋はいつだったんですか。
えーと小学校3、4年で……転校生の麻由子ちゃん。美少女でした。でもスカートめくったりとかしてちょっかい出しすぎて、嫌われたというか。……いまでも「エーデルワイス」を聴くと胸にこみ上げてくるものがあるんですけど。リコーダーで「エーデルワイス」を吹くのを、上手い人と下手な人が2人1組になって練習するっていうのがあって。自分は下手なほうで、麻由子ちゃんは上手かった。それで向い合って指を見ながら練習するっていう。
──上手い人がお手本になる。
そう。でもおれは緊張しちゃって、その時もう手が震えまくって、音も震えまくって、顔も真っ赤でもう恥ずかしくって……いまだに「エーデルワイス」を聴くとその思い出が蘇って、胸が苦しくなりますね。いまでも麻由子ちゃんの笛の音色とか、表情とか思い出しますよ。こっちはすっごい震えてるから、怪訝そうな顔してました。
──普段はどんな子だったんですか。
線が細い美人で、あんまりしゃべるほうでもなくて……やっぱボブに似てましたね。顔も含めて。
──(『禁じられた遊び』扉絵を指して)わりとこんなかんじだったんですか。

あ、こんなかんじでした。麻由子ちゃんそっくり。
──おー。実は初恋の人がモデルだった。
まあ……麻由子ちゃんとは中学も一緒でしたしね。明確にモデルにしたわけでもないと思うけど……でも似てますね。雰囲気というか、すごい活発ではないけど、裏でなにかこういう、ほの暗いことを考えてそうなところとかも。
──そしてこのキャラは、後に出会うボブ先輩にも似てるということですよね。
髪をボブにしたらボブになりますね。理想の女性像の元型なんですかね。
──そういわれれば古屋作品、特に今回の初期作品のヒロインたちにも、共通する部分があるような気がします。
これはもうしょうがないですね。
──『禁じられた遊び』は麻由子さんには見せたんですか?
見せてません。……あ、でも高校デビューしたあと、帰りの八王子からのバスで麻由子ちゃんにひさびさに会ったんだけど、向こうが小学校の時みたいに「剛(ツヨシ)くん」って話しかけてきてくれて。中学校のときはもうこっちが緊張してしゃべれなかったのね。それでひさしぶりに話したら、「剛くん、かっこよくなったね」って言われて。
──おー。
すごいもう……天にも昇る気持ちっていうんですか? これはもう、次に会ったら絶対にデートに誘おう!と思って、まあ、そのまま会うことはなかったですよね。
──なぜそこですぐに誘わないかという話ですよね。
そんなことだらけですよ。なぜボブに一回も話しかけなかったのかとか、そういう後悔は山ほどあります。……ただ、とにかく自分は明星高校に行ってなかったら、マンガ家にはなってなかったんですね。明星に行ったから、のちに明星の美術講師になったし、明星の美術講師になったから、ヒマすぎてマンガを描き始めたし。
──ヒマだったんですね。
時間はあり余ってたし、それにやり場のない表現欲求みたいなのもあって、それが結びついてマンガという表現に至ったんですね。「マンガをもう一回描こう!」と。
──『禁じられた遊び』以来休筆していたけれども。
あの『禁じられた遊び』を超える作品を描こう!と……いやそんなこと全然思ってなかったけど。
>>「お前は間違ってる」って言われて
えーと小学校3、4年で……転校生の麻由子ちゃん。美少女でした。でもスカートめくったりとかしてちょっかい出しすぎて、嫌われたというか。……いまでも「エーデルワイス」を聴くと胸にこみ上げてくるものがあるんですけど。リコーダーで「エーデルワイス」を吹くのを、上手い人と下手な人が2人1組になって練習するっていうのがあって。自分は下手なほうで、麻由子ちゃんは上手かった。それで向い合って指を見ながら練習するっていう。
──上手い人がお手本になる。
そう。でもおれは緊張しちゃって、その時もう手が震えまくって、音も震えまくって、顔も真っ赤でもう恥ずかしくって……いまだに「エーデルワイス」を聴くとその思い出が蘇って、胸が苦しくなりますね。いまでも麻由子ちゃんの笛の音色とか、表情とか思い出しますよ。こっちはすっごい震えてるから、怪訝そうな顔してました。
──普段はどんな子だったんですか。
線が細い美人で、あんまりしゃべるほうでもなくて……やっぱボブに似てましたね。顔も含めて。
──(『禁じられた遊び』扉絵を指して)わりとこんなかんじだったんですか。

あ、こんなかんじでした。麻由子ちゃんそっくり。
──おー。実は初恋の人がモデルだった。
まあ……麻由子ちゃんとは中学も一緒でしたしね。明確にモデルにしたわけでもないと思うけど……でも似てますね。雰囲気というか、すごい活発ではないけど、裏でなにかこういう、ほの暗いことを考えてそうなところとかも。
──そしてこのキャラは、後に出会うボブ先輩にも似てるということですよね。
髪をボブにしたらボブになりますね。理想の女性像の元型なんですかね。
──そういわれれば古屋作品、特に今回の初期作品のヒロインたちにも、共通する部分があるような気がします。
これはもうしょうがないですね。
──『禁じられた遊び』は麻由子さんには見せたんですか?
見せてません。……あ、でも高校デビューしたあと、帰りの八王子からのバスで麻由子ちゃんにひさびさに会ったんだけど、向こうが小学校の時みたいに「剛(ツヨシ)くん」って話しかけてきてくれて。中学校のときはもうこっちが緊張してしゃべれなかったのね。それでひさしぶりに話したら、「剛くん、かっこよくなったね」って言われて。
──おー。
すごいもう……天にも昇る気持ちっていうんですか? これはもう、次に会ったら絶対にデートに誘おう!と思って、まあ、そのまま会うことはなかったですよね。
──なぜそこですぐに誘わないかという話ですよね。
そんなことだらけですよ。なぜボブに一回も話しかけなかったのかとか、そういう後悔は山ほどあります。……ただ、とにかく自分は明星高校に行ってなかったら、マンガ家にはなってなかったんですね。明星に行ったから、のちに明星の美術講師になったし、明星の美術講師になったから、ヒマすぎてマンガを描き始めたし。
──ヒマだったんですね。
時間はあり余ってたし、それにやり場のない表現欲求みたいなのもあって、それが結びついてマンガという表現に至ったんですね。「マンガをもう一回描こう!」と。
──『禁じられた遊び』以来休筆していたけれども。
あの『禁じられた遊び』を超える作品を描こう!と……いやそんなこと全然思ってなかったけど。
>>「お前は間違ってる」って言われて