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美しきチベットの山間の僧院で、少年たちは出会った——。
今回はこれまでのおさらいと、蔵西先生の特別描き下ろし
「おまけ漫画」&メッセージです。





これまでのおさらい&特別描き下ろし「おまけ漫画」



第1回
時は1945年。晩秋のチベット。
ダワは、父(アパ)と共に巡礼の旅をしていた。



旅の途中、センゲ僧院に立ち寄った親子。
しかし父(アパ)は、僧院の沙弥(見習い僧)——ドルジェに
ダワを託したまま、いなくなってしまった。


女の子は置いておけないと騒然となる僧院。
しかし、ダワは女の子の格好をさせられた男の子だった。

ずっと耐えていたダワだったが、ドルジェの優しい言葉に、
堰を切ったように泣き出すのだった。




第2回第3回
ダワがセンゲ僧院に来て半年。
沙弥にもなることなく、ただひたすらアパが戻って来ることを願っていた。



しかし、テンジン副僧院長と先輩の沙弥であるガワンの会話から、ダワの父が戻ってこないと知ったドルジェは、このままではダワがここにいられなくなると思い、ダワの髪を無理矢理切ろうとし、沙弥になることを強いる。
その時、ドルジェの「アパはもう戻ってこない」の言葉にショックを受けたダワは、僧院を抜け出してしまう。
テンジン副僧院長、ガワン、ドルジェは夜通しダワを探した末に、暗闇でダワを見つける。
自分のことを心配してくれる仲間に対して、申し訳なく思ったダワは、「僧院で良い子にしていればアパはきっと来てくれるはず」と願い、沙弥になることを決意する。




第4回第5回
ダワが沙弥になってから約5年の月日が流れた。
沙弥としての勉強や仕事は簡単ではないが、ドルジェをはじめガワン先輩や仲間たちと平和な日々を送っていた。
そして、仲間達が楽しみにしている冬の休暇が近づいていた。



休暇は皆家に帰る。しかし、ダワにはどこにも行く場所がない。
ドルジェが家においでと誘うも断るダワ。
ダワは、今でもずっと父(アパ)を待っていた。
ひとり僧院でもの思いにふけるダワ。
その時突然アパからもらった数珠が切れてしまう。
くしくもその秋、チベット軍と中国の人民解放軍がチャムドで衝突していた。
ダワはそれを知る由もなかったが、不吉な予感にアパの身を案じるのであった。




第6回第7回
休暇が終わり、仲間たちが僧院に戻ってくるが、ドルジェが帰ってこない。
いつも一緒にいたドルジェの不在に不安が募るダワ。
その頃ドルジェは家族の前で日頃の修行の成果を試されていた。



ドルジェ不在の中、ひとり水汲みに行くダワ。
途中、僧院の下働きの少年に、ダワの出自や立場について嫌みを言われる。
そもそも己の在り方に日々不安を感じて来たダワ。
ドルジェの不在が父(アパ)の不在と重なり、心細さが頂点に達したその時、
ドルジェが帰ってくる。



第8回第9回
センゲ僧院にトゥルク(転生ラマ)が帰還。
良い機会だとドルジェの母は、「ドルジェをご学友にしてしては?」
とテンジン副僧院長に申し出る。
名誉ある役目を担うことになったドルジェだが、浮かない顔。
実は、先代のトゥルクはドルジェの兄であり、過分な役目にドルジェはプレッシャーを感じていた。



ドルジェと共にトゥルクにお会いして、絵を描いてさしあげたダワ。
光栄なことと喜ぶ半面、ドルジェとトゥルクの仲の良さに少し寂しくなる。
しかしその帰り道。僧院の絵師であるジャムヤン僧に、祈りを捧げず白ターラー菩薩を描いたことでおしかりを受ける。
うぬぼれていたと落ち込みながら仲間の元へ帰る2人だったが、ミクマルのあるひと言で、ドルジェは部屋を出て行ってしまう。
日頃のプレッシャーを脱ぎ捨てるかのように、走り出すドルジェ。そしてそれを追いかけるダワ。
走り疲れた頃2人は、互いの不安や悩みについて慰め合うのだった。
そして、ダワはテンジン副僧院長から呼び出しを受ける。




次回掲載(1月25日)の第10話をお楽しみに!これからもダワをはじめ僧院の皆を見守っていてください!





◎蔵西先生特別描き下ろし「おまけ漫画」。







◎蔵西先生から読者の皆さまへ

皆さま今年1年有難うございました。
『月と金のシャングリラ』を描いている蔵西です。惹かれ続け、描かずにいられないチベットとチベットの人達。そんなチベットの漫画をまた連載でき、
皆さまに読んで頂けたことが今年一番の出来事です!
来年はさらにキャラ達は成長します…また読んで下さったら幸いです。
来年もどうぞ宜しくお願いいたします。
皆さま良いお年をお迎え下さい。





ご感想お待ちしています。感想フォームからどしどしお送りください! 連載の応援をどうぞよろしくお願いいたします。
たくさんの方に読んでいただけますように。

* このお話はフィクションです。登場する人物、団体、名称などは架空であり、実在の人物や団体などとは関係ありません。

ご愛読ありがとうございます。来年もよろしくお願い申し上げます。

2017/12/21 更新
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【登場人物】


ダワ
ダワ
名前は「月」の意。父親と2人で巡礼の旅をしていたが、センゲ僧院にお詣りした際、父親(アパ)が失踪。その後、沙弥になることを決意し、僧院で修行をしている。


ドルジェ
ドルジェ
センゲ僧院の沙弥(見習い僧)。お詣りにやって来たダワと父親に出会い、その後置いていかれたダワを気にかけている。片付けが苦手。


ガワン
ガワン
センゲ僧院の沙弥。ダワより4歳年上の先輩。一見クールだが後輩の面倒をよく見る。






『流転のテルマ』 1~4巻(完結)(蔵西 著/講談社刊)
「助けてくれ」。行方不明の兄からメールが届くと、大学生の徳丸は、父に頼まれて西チベットに旅立った。未知の土地で、徳丸は日本語のできる現地ガイド・ソナムを雇う。彼によると、兄が向かったのは外国人入域禁止エリアらしい‥‥。ガイドの中でもソナムしか知らないというその場所は、国境に程近い秘境。ソナムの浮かない顔に、徳丸は不安を覚えるが‥。標高3000m越えの大地を歩く、徳丸の旅が始まった!!

蔵西(くらにし)

神奈川県在住。チベット文化圏に通って絵地図を描いていたものの、もっとチベットの物語を描きたくなり「流転のテルマ」(マンガボックス連載)でデビュー。
チベットとトルコ石と腹筋が大好きです。

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