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さらに詳しく文字解説

この研究のここがスゴッ!

Lab:012b 電気通信大学 梶本裕之研究室




「離れていても触れ合える」



 皆さん、日常生活のなかで「触覚」を意識している瞬間ってどのくらいありますか? 携帯電話やタオルの触り心地を確かめるときや、財布のなかの見えない小銭を探っているときなどは、触覚を意識している瞬間だといえるでしょう。そういうとき以外は特に意識していない人も多いはず。というのも、目を閉じても、耳を塞いでも、常に温度や触り心地を感じているのが触覚というものなんです。感じないのはしびれている時と、麻酔が効いているときくらいでしょうか。
 しかし、当たり前の話ですが、電話越し、テレビ越しの遠隔地では触覚を感じることはできません。それを可能にしようというのが、梶本先生の「触覚ディスプレイ」という研究なんですね。



 写真に写っている無数の金色のドットは、すべて電極です。この電極に微量の電気を流すと、あたかもそこに突起があるかのように感じるのです。実際に触ってみると本当に膨らんで生き物が出てくるような感じがして、手の持っている繊細な感覚を再確認するような、そういう感覚になります。
 梶本研究室では、長年、触覚とはなにかという研究を積み重ねてきた結果、皮膚感覚だけではなく、振動、温度、さらには体毛が逆立つ感覚なども、触覚を提示するのに有効で、しかも、それらの触覚ディスプレイを音や映像、シチュエーションなどと組み合わせることで、感情の起伏を増強(ブースト)できる装置になるということを発見したんですね。これは、マトグロッソTV #5で東京大学廣瀬先生が言っていた「感覚間相互作用」(視覚と嗅覚を使って味覚を合成する)と同様の作用なんです。

 梶本研究室の特徴は、とにかく研究の多彩さとアイデアの豊かさです。今回紹介したほかにも、『腕立て伏せ時の「カチカチ感」付与による運動感覚の拡張』や、『口腔における双方向コミュニケーションデバイスの開発』(つまり接吻!)などなど、どれも相手のことを思うからこそ発想できる、愛のある研究ばかりなんです。

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