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さらに詳しく文字解説

この研究のここがスゴッ!

Lab:013b 東京大学 五十嵐健夫研究室




「だれでも簡単にできること」



 五十嵐研の研究目的は、なんといっても「だれもが簡単にできること」です。プロに向けてではなく、一般ユーザーにもアニメーションや3DCGなど、これまでは難しかった方法を、簡単にわかりやすく開放するというのが、五十嵐先生の目指していることなんです。

 アニメーションを作る「movingsketch」という研究は、ピンを打つという考え方がミソで、自由になんでもできるのではなく、じつは逆にユーザーの操作を制限することで格段にわかりやすくなります。細かい動きはプログラムのなかに仕込んでしまうことで、かわいい仕草ができます。そこに高度な技術がたくさん仕込まれているわけです。

 ビーズ工作や家具の設計など、これまで、専門家にしかできなかったような複雑な形を作るには、まずは単純な形から、何年もかかって技を習得していかないとできませんでした。それを一足飛びにできるようにしてしまうのです。プロもうかうかしていられません。デジカメやPCなどデジタル機器が普及して、素人でもプロにかぎりなく近い表現ができるようになった分野は、最近増えています。プロには、よりプロとしての技術や表現が必要になってきたともいえます。一般の方々の表現の幅を広げるということは、プロも含めた、その分野全体の表現の幅や深さの向上につながっているのです。

 五十嵐先生のプロフィールには、個人的な趣味の欄に「かわいい動物のお絵描き」とあります。
絵を描くことが好き、かわいいものが好きという五十嵐先生の愛情が、彼の研究をよりすばらしいものにしているんだと、私は思います。
 五十嵐先生の研究によって、将来、「3DCGアニメーションの作り方講座」なんて趣味番組や主婦向けのテキストが、普通に販売されるようになるかもしれません。

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