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この研究のここがスゴッ!

Lab:023b 慶應義塾大学 安村通晃研究室




「つながりをデザインする」


 安村研究室では、人間の認知や心理の知見から、人と人、人とものとのつながりをデザインを研究しています。より使いやすいツールやアプリケーションを作るだけではなく、それぞれの関係性を作り出すということを続けてこられました。
 関係性のデザイン=インターフェースのデザインであり、ウェブサイトや銀行ATMの使いやすさというのは、もちろん安村研究室のテーマです。しかし、それだけにとどまらず、これまでになかったようなまったく新しいハードウェア、ソフトウェアをゼロから考え、もしこういうものが出てきたとき、人とものとの関係性はどう変わっていくかを調査するというのが、最も重要な部分だと思います。

 ここ数年、スマートフォンの普及や新たなウェブサイト(ツイッターやフェイスブックなど)、アプリの登場で、人々の生活には劇的な変化が起きています。安村先生の研究は、まさにその変化のきっかけになりえるものだと思います。さらに、それらの研究作品を安村研究室では、年1回の企画展で展示します。そうすることで、より人に伝わりやすい形に昇華されるのです。これは美術やデザイン以外の分野でも、とても効果的なカリキュラムです。ぜひ工学系の大学に取り入れていただきたいと思います。

 このように、安村研究室のカリキュラムでは、基礎研究から実世界で使用できるものまで一貫して考えていくことで、全体を見渡せる人材を育成しているのです。
 安村先生の活動にとって、人材育成はまさに「つながりのデザイン」の象徴だと思います。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスができて以降、20年以上にわたり、教鞭をふるってこられたわけですが、その間に、とても多くの優秀で、最先端のエンジニア、研究者、クリエイターを育ててこられました。以前ご紹介させていただいた五十嵐デザインインターフェースプロジェクトの渡邊恵太さんや、2012年イグノーベル賞を受賞した塚田浩二さんも安村研究室の卒業生なのです。

 安村研究室が目指すのは、コンピュータではなく、人が中心となるユビキタス社会だと、安村先生はおっしゃっています。安村研究室で学んだ方々が、より便利でより豊かな社会への変化を誘発していくことがとても楽しみです。

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