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Lab:030 九州大学 源田悦夫




「福岡からアジア、そして世界へ」


 4月11日に、NHKの全国枠で再放送された『デジタルアート on TV FUKUOKA』と連動し、九州の研究室をご紹介していきたいと思います。松隈先生に引き続き、九州大学の源田悦夫先生です。

 源田先生は、デジタル表現の第一人者であり、現在でも最先端の表現と技術を学生たちと探求し続けている方です。メディアテクノロジーを背景とした、コンテンツデザインの研究を進めていらっしゃいます。
 手で描く美術的感性と、プログラムや自然の観察から得られた法則性をビジュアル表現にしていく論理的思考の両立をテーマとして掲げ、デジタルデッサンというカリキュラムを実践されています。強調や省略、デフォルメなど、アナログのデッサンでは、当然のように使われてきた技術やものの見方がありますが、それをCGの世界でも活用し、より美しい表現を目指すというものです。

 さらに、源田研究室では、最新技術の取り込みにも積極的で、モーションキャプチャやプロジェクションマッピングなどを使った作品も多数制作しています。
 最近では、身体を精密にCGで再現することにより、カンボジアや韓国などアジア近隣諸国の踊りなど伝統芸能を保存し、さらにそれを新しい表現に活用するという活動も進めているそうです。
 道具としてのアプリケーションに使われるのではなく、使いこなしていくこと、プログラムと美術表現を両方学んでいくことが必要であると源田先生はおっしゃっています。そういった心意気から、新たな技術やオリジナリティのある作品は生まれてくるのだと私は思います。

 源田先生は福岡から新しい表現と人材を発信していくと強調されていました。九州がアジア諸国との交易の要であることは昔もいまも変わらないと思いますが、文化においても交流の拠点なのです。海外でも人気のコンテンツを作っている複数の有力なゲーム会社が福岡を本拠地としています。映像プロダクションなども多数あり、福岡はコンテンツ産業の一大拠点となっています。
 さらに、源田先生や私も審査員を務めている国際コンペ「アジアデジタルアワード」が毎年福岡で開催されており、これも福岡のデジタル表現をよりレベルの高いものにしています。福岡は、デジタル技術先進都市なのです。そしてその中心にあるのが九州大学芸術工学研究院です。源田先生にはこれからも世界に向けた新たな表現を発信し続けていっていただきたいと思います。

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