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ちきりんさんのデビュー作『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がこのたび文庫化!
世間で言われ続けてきた「あるべき論」を、ちょっとだけゆるく解釈すればいい。
いきなり言われてもピンと来ない……という方、大丈夫です。
この本には自由な発想をするためのヒントがたくさん詰まっています。
文庫化を記念して、本書の一部をちきりんさんからのメッセージとあわせてご紹介します!








ごあいさつ
~文庫化に寄せて~

 単行本の『ゆるく考えよう』が発行されたのは2011年の1月末、日本中を震撼させた東日本大震災の一ヶ月半前でした。そしてそのさらに3ヶ月前、私は朝から晩まで(時には休日まで)働き続ける生活に疑問を感じ、長く勤めた外資系企業を退職して、新しい働き方を模索し始めていました。
 若者人口が大幅に減少し、税金や社会保障の負担もどんどん重くなる中、従来通り、「とにかく頑張れ」といった精神論だけでは、誰もが疲弊するばかりだと感じたからです。仕事やお金や人生設計に関して、もっと自由に発想し、もっと合理的に判断できれば、今という時間を楽しむことを、もっと優先する生き方ができるはず。そう考えてこの本を書きました。

 本のタイトルには、既成概念に囚われるのはやめよう、社会の常識とされていることであっても、そのまま無条件に受け入れる必要はない、私たちはひとりひとり違うんだから、ちょっとくらい〝ゆるく〟考えてもいいじゃないか、という思いが込められています。
 すべての人が家を買う必要もないし、成長するために頑張り続ける必要もありません。結婚はしてもしなくてもいいし、誰もかれもが人脈だのネットワークだのを築くために、必死になる必要もないでしょう。
 そうではなく、毎日を気分よく楽しく過ごし、おいしいものを食べて、できる限り長い時間を自分の好きなことに使って過ごしたい。それを実現するためには、世間で言われる「あるべき論」も、ちょっとだけゆるく解釈すればいいじゃないか。これが私の基本的な考え方です。

 この本を出した後、私は『自分のアタマで考えよう』『世界を歩いて考えよう!』『未来の働き方を考えよう』と「考えよう」をキーワードとした書籍を3冊(本書を含めて4冊)出しています。
 最初から揃えようと計画していたわけではないのですが、初著であった『ゆるく考えよう』が思いがけず多くの方に受け入れられ、その後の書籍の方向性を決める、記念すべきタイトルとなりました。

 今回、文庫化にあたって本書を読み直し、自分の考えが当時と全く変わっていないことを再認識しました。むしろ以前より自信をもって皆さんに、「ゆるく考えよう」と呼びかけたいと思います。
 世の中はグローバリゼーションやIT革命など、激変の様相を見せていますが、こういう時ほど個々人にとって大事なのは、「自分は何をしていたら楽しいのか」という自分目線の価値観です。
 そういった視点がなければ、私たちは容易に流され、知らず知らずのうちに自分のためではなく、誰かのため、社会のために生きることになってしまいます。

 本書には概念的な考え方だけではなく、具体的で実用的な思考ツールも数多く盛り込んでいます。「人生設計のための3×3分割図」や、重要な意思決定の際に使える「一点豪華基準」などは、きっと多くの方のお役にたつでしょう。
 保険についての考え方や、継続課金のサービス、不動産取得時の金利など、身近な具体例を使いながら、お金との賢い付き合い方についても説明しています。こういった考えを取り入れることで、より多くの方が、将来のために我慢するのではなく、今を楽しむ生活を手に入れることが可能になると思います。

 文庫化されることで、この本がさらに広く多くの方のお手元に届き、すこしでも「世間のあるべき論」の呪縛から逃れるきっかけとなってくれたら、心より嬉しく思います。
 また、本書が気に入ってくださった方は、ぜひ社会派ブログ「Chikirinの日記」(http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/)と、個人の身辺ブログ「ちきりんパーソナル」(http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/)もご覧ください。

ちきりん
 



なかみを一部ご紹介


1 ラクに生きる

目標は低く持ちましょう!

 ちきりんは高すぎる目標を持たないようにいつも気をつけています。今までの人生において、達成が不可能に思えるような高い目標を掲げたことはありません。それどころか「達成が困難そうなこと」や「多大な努力が必要と思えること」も目標にはしてきませんでした。そんな高いところを目指すより、少し手を伸ばせば届く範囲のことで人生を楽しめばいいと思っているからです。
「宝くじが当たったら何を買おう?」というようなくだらない妄想にはよく耽りますが、だからといってお金を稼ぐために必死で働きたいとも思いません。手元にある範囲でやりくりして暮らしていければ十分です。

 また個人としてだけではなく、自分の国である日本の将来に関しても大きな期待はしていません。だから日本の将来についても極めて楽観的です。
 日本の将来に悲観的な人の多くはそもそも期待値が大きすぎるのです。たとえばそういう人は「世界第2位の経済大国である日本」を維持したいと考えたり、「国際社会でリーダーシップを発揮し、諸外国から尊敬される日本」を夢想しているようです。
 確かにこんな体たらくの国でそんな高い目標を掲げたら悲観的にもなるでしょう。でも、そんな高みを目指す必要はないのです。
 世界には200もの国があります。その中で世界2位とは、トップ1%です。あなたは今まで自分の人生において、トップ1%を目指したことがありますか?
 500人の高校で、勉強でも運動でも「俺はトップ5人に入る!」などと思っていたでしょうか。たいていの人はそんなだいそれた希望を持ったことはないはずです。
 学校にもひとりやふたり、「特別な」子供がいますよね。勉強も運動もできて話もうまく、生徒会長にも委員長にもクラブの部長にも選ばれるような子供です。そういう人に凡人が勝負を挑むのはバカげています。

 GDP総額では、アメリカが1位で、日本は長らく2位でしたが、いよいよ中国に抜かれました。日本はアジアで1番ではなく2番の国になったのです。これを悲しむ人もいるようですが、よく考えてみてください。経済規模の絶対額で、人口1億人の国が13億人の国に勝てるほうがおかしいでしょう。負けて当たり前なのです。
 今でこそ、野球では日本が中国に負けることはありません。しかし、日本チームにはイチローはひとりしかいませんが、同じ確率でああいう選手が出現すれば、将来の中国チームは「補欠まで含め、13人のイチローがいる」チームになるのです。せいぜい今のうちに勝っておいて、全然勝てなくなった将来には「あの頃はよかった」と、縁側でお茶でも飲めばよいのです。

 また、日本は中国に抜かれた後に経済規模で3位を維持できるかといえば、他にもインドやロシアのような人口の多い国や資源国が控えていますから、そのうち世界で6位くらいになっても不思議ではありません。しかし、200カ国のうちの6位ならまだまだ先進国の一員ですし、全く問題はないでしょう。
 実際、数百年単位で見ても「たとえ一時期でも1位や2位が張れる国」というのは限られています。無敵艦隊スペイン、大英帝国、ローマ帝国など、ある時代は栄華を極め世界のトップにあった国が、数百年後に6~10位あたりに落ち着くというのはよくあるパターンです。日本も次はそのあたりでいいではないですか。「自分が生きているあいだに2位を経験できてラッキー!」くらいに考えておけばいいのです。
 私は原始時代に戻りたいわけでも、戦後の焼け野原に戻りたいわけでもありません。でもバブル前の1980年あたりの経済規模まで戻っても、日々の生活がそんなに不便になるとも思えません。むしろ成人病が減るなどいいこともあるでしょう。

 国際社会におけるリーダーシップも、アメリカ、中国、ロシアなど、野望の大きな国に任せておけばいいのです。無理して多額のお金を使い、国連常任理事国になっても、普通の人の生活は何ひとつ楽しくなったりしません。
 また、シリコンバレーを例にとって、「日本人はグローバルに活躍できていない」という人もいますが、日本より圧倒的に人口の多いインドネシア人や、同じ先進国であるフランス人やドイツ人は、そんなにシリコンバレーで活躍しているのでしょうか?

 日本は目標が高すぎるのです。「アメリカと互角に!」とか「中国には負けるな!」とか過大な野望を持つのはやめて気楽にいきましょう。個人も同じです。目標を低く設定すると楽になれます。幸せに生きるためにも、目標は低いほうがいいのです。






具体的かつ実用的な「毎日を楽しく生きるための極意」が満載。
もくじはこんな感じです。





1 ラクに生きる
目標は低く持ちましょう!
人生は早めに諦めよう!
退屈な時間を楽しもう
多数派が正しいわけではない
人生の主役を生きる
日本はすばらしい国
日本はアジアのイタリアに

2 「自分基準」で生きる
仕事・家庭・趣味「3×3分割図」で人生設計
「ヒマだからやっていること」との遭遇
欲望を取り戻せ!
「一点豪華基準」で選ぼう!
「やめる」決断ができれば「はじめられる!」
人生の先輩の助言は、聞くべきなのか
自分に近いものにこだわりすぎるのはやめよう!

3 賢く自由に「お金」とつきあう
10年以上のローンはダメです
大半の保険は不要
維持費が蝕む自由
稼ぐべきとき、払うべきとき
儲け方、そして、儲けられ方
情報商材はなぜ売れるのか?
宗教の定義
大事なものはコストで決めない
貯蓄が増えない理由と、体重が減らない理由
「所有」という時代遅れ
防災グッズは必要?

4 仕事をたしなみ、未来をつくる
若者、アウト!
災い転じて福となそう
「逆バリ」と「先読み」
「ゴールドカラー」の登場
勝てる市場を選ぶ
「成長したい!」だけではダメ
インプットを最小化する
「人脈づくり」はたぶん無意味です
能力のない人へのアドバイス4つ
アドバイスの正しいもらい方
「できる人」のタイプ

5 ストレスフリーで楽しく過ごす
おいしい人生
お酒と恋愛のマジックパワー
コミュニケーション成立比率
分を知る
相手の受信体を理解する
性格は変えられる
自分にとっての「妥当な値段」
運命と戦うか、受け入れるか



ぜひ書店でお手にとっていただけたら幸いです!



クレイアート「ちきりん」

カバーに使われているクレイアート「ちきりん」は、年内いっぱい、有楽町の三省堂書店有楽町店と秋葉原の書泉ブックタワーにお邪魔しています。制作はデザイナーの竹田壮一朗さんです。





ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法

『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』
文庫ぎんが堂(イースト・プレス)刊/667円+税
絶賛発売中!







2013/12/12 更新
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ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法 (文庫ぎんが堂)

『ゆるく考えよう』(ちきりん 著/イースト・プレス)
世の中が大きく変化していく中で、どう考え、どう生きていけばいいのか。「世の中」「お金」「働き方」についての具体的で実用的な考え方が満載。月間150万PV! 日本一影響力を持つブログ「Chikirinの日記」の著者によるベストセラーが遂に文庫化。

ちきりん(ちきりん)

関西出身。バブル最盛期に証券会社で働く。その後、米国の大学院留学を経て外資系企業に勤務。現在は執筆や対談などを中心に「楽しいことだけして暮らす」を実践中。2005年春に社会派ブログ「Chikirinの日記」を開設し、今は月間150万以上のページビュー、日に2万以上のユニークユーザーを持つ。デビュー作となった『ゆるく考えよう』のほか、『自分のアタマで考えよう』(ダイアモンド社)、『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』(大和書房)、『未来の働き方を考えよう』(文藝春秋)などの著書がある。
ブログ
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/
ツイッター
@insideCHIKIRIN

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