アリアの診療録
【4月19日発売!】SNSで大反響!
「奇病に罹った少女と怪しい医者の話」が待望の単行本化!
本日は単行本作業にまつわる雑記をお届けします。購入特典情報もチェック!
●単行本発売のお知らせ
『アリアの診療録』第1巻、4月19日に発売されました!
単行本には4話+描きおろし番外編1話を含む全5話を収録。
本日は1巻の単行本のカバーまわりについての雑記をお届けします。
●色校正時の制作裏話!
色校とは正式には「色校正」といい、著者やデザイナー、編集者などが思った通りの色で印刷ができているかを、実際の印刷を始める前に確認用に印刷する試し刷りのことです。
カバー、オビの用紙候補について2種類ほど色校正で試したい…とデザイナーさんからの要望があり、初校時から用紙2種類で色校をとりました。
今回はまず2種類の用紙を試し、印刷状態や見え方などを確認します。
最初から2種類の色校正をだして確認をすることができるため、そのぶんスケジュールは短縮できます。(ですが、普通に2回ぶんの色校正をトル費用がかかります)
※用紙候補は1種類で、加工のパターンを複数とったり、インキを複数パターンで試したりなど、色校正を一気に複数だすこともあります。
◎カバー
⇒用紙の候補「NTほそおり プラチナホワイト」「Mr.B スーパーホワイト」を試します。
紙が持つ色素等によって、同じデータからの印刷でも、青味が強くでたり、赤味や黄色味が強くでたり…。白い紙であっても微妙に異なります。
今回は特色の蛍光ピンク色などは入れずとも発色が良いため、CMYK+グロスニス加工で仕上げています。(顔など肌の色をよくみせる際に特色として蛍光ピンクのインキをまぜることもあります)
「NTほそおり プラチナホワイト」は紙自体にエンボス加工(表面に少し凹凸があるような)のある、紙ならではの手触りが楽しめるテイストの用紙。(画面上では縦の凹凸わかりにくいと思いますが…)
「Mr.B スーパーホワイト」はマット調の紙で、インキの発色が優れつつ、ラフっぽい表面のグロス感がある用紙です。
今回はカバーは「Mr.Bスーパーホワイト」でいきます。
最初にだした色校時から良い色味、発色でしたが、ここからさらに色味を微調整していくために再校をとります。さらに色校を…というわけで、実質、三校までとっているのと同じです。(NTほそおり プラチナホワイトでのカバー雰囲気は制作者側だけが見る幻のカバーとなります)
と言いつつ、色校正の初校時にじつは刷りなおしているというハプニングがあったりなかったり…。最初にあがってきた色校を目にして絶句した担当編集(ある影響等によるものなので誰も悪くないです…)がいます…。速攻で刷り直していますが、ここでスケジュールがきつきつですと、かなり焦ります。いつどこでハプニングが起こるのか…、意外なところで事件は起きていたりします。(絶句した初校時の色校正の用紙はこちら↓データの一部の柄が所々、印刷時にとんでしまっていたという…汗)
というわけで、ハプニングを含めると編集者の手元には5つの校正紙がある状態です。苦笑
◎オビ
オビもカバーと同じく2案とも試すべく「NTほそおり プラチナホワイト」、「Mr.B スーパーホワイト」で色校正。
オビの用紙は紙に凹凸のある「NTほそおり プラチナホワイト」を採用。
思ったよりも黒の濃さが弱く、「黒色が浅いので濃く!!」というデザイナーさんから声もあり、本番もしっかり出していただくための確認も兼ねて再校をとります。
そんなに変わらないでしょう?と写真上では思うかもしれませんが、実物を比較すると、ぱっと見てもわかるくらい濃くなります。
インキのノリだけではなく印圧もあげます。(印圧=印刷機でインキを紙などに転移させる際に加える圧力)
デザイナーさん側の色味や仕上げのこだわりが随所にあるのです。それ以外にも細かい修正が帯やカバーに指示が入ります。
再校でバッチリです!
カバーもオビも【グロスニス加工】を施しています。
印刷表面に光沢をあたえインクの定着や保護などの役目があります。
◎本体表紙
いくつかの候補の中から、クラフト紙の素朴でナチュラルな色合いと風合いをあわせもっており、細かなチリがつくる表情が特徴の厚紙の「GAクラフトボード クレイ」を採用。
そこに特色の「銀インキ」で、作中のイラストを使ってデザインが施されます。シンプルかつシックの中にほんのりダークさといいますか重厚感も感じられるテイストに。インキひとつで印象も変わります。
表紙で使用しているイラスト3点、それぞれ本文のどこのイラストから取っているか、ぜひ答え合わせをしてみてください^^
◎本文用紙
クリーム色の用紙を使おうかなと考えていましたが、著者のSue Lueさんにもお伝えをして、あえてややグレーがかった用紙を採用しました。少しざらつきもあり、裏写りもしない用紙です。
こちらの用紙は、月日の経過とともに紙が日焼けをしたり、色が褪せたりすると「クリームっぽく」なっていくため、その風合いを求めて、紙が劣化してからも良さそうだな~と思い選びました。
単行本制作時の裏側の物語はいかがでしたか??
お手元にお迎えして、カバーまわりもお楽しみいただけますと幸いです。
また、一部の書店では、ポスター、小冊子、POPや複製原画などを展示、展開しています。
お見かけの際は覗いてみてください^^
2023.4.20更新/単行本発売のお知らせ記事
この記事をツイートする♪
ご感想をお待ちしています。感想フォームからどしどしお送りください。
次回予告
次回の試し読みは4月27日の更新予定です。
お知らせ
『アリアの診療録』が試し読みに登場!お試し読みは分割での掲載です。
●書店購入特典配布
下記書店で本書をご購入の方に特典ペーパーの配布を予定しております。
※トップカルチャー蔦屋書店:店舗検索はこちら(一部店舗を除く)
※書泉・芳林堂書店:店舗検索はこちら(一部店舗を除く)
※書泉オンラインページはこちら
いくつかのリアル書店さんでは、「アリアの診療録」をがっつり展開予定です!
複製原画やB2サイズのイラストが映えるポスターが飾られますのでお楽しみに。
●電子書籍のご案内
紙書籍の発売と同日の4月19日頃より、各電子書籍ストアにて順次配信!
電子書籍に特典として、SNS等に投稿していた
雑記イラストやショート漫画を加筆修正したものを7枚、収録!
【内容紹介】
SNSで大反響!
「奇病に罹った少女と怪しい医者の話」が待望の単行本化!
“奇病”を巡る、ダークミステリーファンタジー開幕!!
もうここには居られない――。
原因不明の病に苦しむ少女と、
その病の謎を追い求める怪しい医者の物語。
父が遺した屋敷で義母と義姉と暮らす少女・アリアは、
虐げられながらも唯一自分を愛してくれた
父との思い出だけを縁(よすが)に生きていた。
しかしある日、
体調を崩したアリアは咳と共に謎の黒い液体を吐き出す。
それは次第に瘴気となって、
屋敷中の人間を瞬く間に昏睡状態に陥らせた。
助けを求めて屋敷を飛び出したアリアは、
奇妙なマスクを着けた男と出会い……。
単行本でしか読めない描きおろし漫画「ある少女の診療録」も収録!
感想フォーム
ご感想をお待ちしています。感想フォームからどしどしお送りください。