「79歳の僕だって交際してる。 『好きです』って言わなきゃ!」 田原総一朗 春香クリスティーン 田原総一郎×春香クリスティーン 都知事選、じゃなくて、このおふたりなのに今日はなんと“恋”のお話。 
バレンタイン特別企画、田原総一朗と春香クリスティーンが“恋バナ”まじ語り。
そして背中を押された春香さんが……初恋、そして失恋!? 
体験したての「後日談」まで、一挙大公開!
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◎日本の政治を知りたくて永田町通い!?

田原 春香さんは、現在は上智大学の学生でもあるわけだけど、大学生活はどう? 

春香 実は、話のできる友達があまりいなくて。スイスでは友達と、ファッションや恋愛、ジョークなど軽い話もするんですが、たとえば、「最近、EUに加盟しようとスイスは迷っているけれど、どう思う?」というような政治や社会問題の話も普通にするんです。

田原 なるほど。日本の学生は全然、政治に興味を持ってないでしょう?

春香 はい、ほとんど話さないですね。大学に入って二十歳になったので飲み会に参加したんですが、政治の話はまったくで……。

田原 日本の若者が政治に関心がないのは、第一に政治を知らないことにあると思う。そんな状況を身近に見てどう感じました?

春香 政治って、自分たちの暮らしの土台をつくるものなのに、なぜ興味がないのか不思議でした。それで日本の政治を知りたいと思い、まずは国会を見てみようと、永田町に通い始めたんです。

田原 国会に行くという発想がいいね。それで、政治家の追っかけに?

春香 はい。政党や政策から入ると難しいので、政治家個人に注目しようと思ったのです。真面目な印象の岡田克也さんはカエルの置物収集が趣味だったり、谷垣さんはいつも「プロポリスのど飴」を持ち歩いているとか、国を動かしている人たちのパーソナリティがわかると、政治がぐっと身近になるんです。衆参議員の名前を覚えようと、政治家のカルタも作りました(笑)。





田原 政治家のカルタ? 

春香 はい。最初は議員さんの顔と名前を単語帳に貼ってたんですが、親しみがわかなくて。そこで政党ごとに色分けして、読み札には名前の頭文字から始まるその議員さんにちなんだフレーズをつけて……。

田原 面白いこと考えるね。ちなみに、安倍総理はどんなフレーズ?

春香 作ったのが政権を奪回する前だったので、「アイスクリーム ププモナカが大好き 安倍晋三」。ほかには「おばあちゃん子 小沢一郎」 「あの頃も 今もイケメン 甘利明」……とか。

田原 へえ、どうやって情報収集するの?

春香 春と秋に出る『政官要覧』は常に持ち歩いて熟読してますし、facebookやTwitterをチェックしたり。ですが、田原さんがおっしゃるとおり、自分の目と耳で得た情報にはかなわないので、三日に一度は永田町に出向いたり、気になる議員さんの街頭演説を聞きに行ったりしています。

田原 昨年は、若い人に向けて政治や選挙のしくみについて解説した本(『春香クリスティーンのおもしろい政治ジャパン』マガジンハウス)も書かれた。若いタレントさんで政治の本を書いたのは春香さんが初めてじゃないかな。

春香 その節は帯にコメントをいただき、ありがとうございました。

田原 基本的なことが詳しく解説されていて感心したね。国会や選挙の仕組みも、案外、みんな知ってるようで知らないからね。若い世代の関心を選挙に向ける一冊だと思う。

春香 そんな、お褒めの言葉をいただいて感激です。昨年の参院選公示に合わせて書き上げました。自分の生き方や生活が政治によって左右されてしまうと思うと無関心ではいられないし、若者がいいなと思う政策を掲げている候補者がいても、その人に投票しないと意味がないわけで……。

田原 そうね。選挙には行かないと。

春香 昨年の参院選ではネット選挙が解禁となって、各政党がLINEを立ち上げたり、候補者がTwitterやFacebookに動画をアップしたりで、私はかなり興奮したんですが、投票率はまったく伸びず……。

田原 期待はずれとの見方もあったけど、そもそもネット選挙を導入しただけで投票率が上がるものではないし、ネット選挙の一番の利点は、不偏不党の原則にしばられず、公約の分析や批判がスピード性を持って伝えられる点にある。SNSがこれだけ普及した今、そうしたツールを活用して有権者も意見をどんどん言うべきだし、候補者も聞きくべきだと思うね。

春香 TwitterやFacebookで同じ意見の有権者同士がつながれば、ひとつの大きな意見となりますよね。有権者同士だけでなく、政治家と有権者とのコミュニケーションも深まることを期待したいです。


◎“ネクラでコミュニケーションが苦手”だった!?

田原 ところで、今の学生は、飲み会で何を話すの?

春香 男の子はバイトの話とか、女の子はファッションとか、いわゆるガールズトークです。私は、そういう話がいちばん苦手で、飲み会もあまり楽しめなくて。

田原 飲み会のなかに、気になる男子はいなかったの?

春香 それが、興味が持てないんです。だからといって女性に興味があるわけではないのですが(笑)。

田原 なぜ、興味がないの? 

春香 今はそんなことする時期じゃない。勉強だとか、やるべきことがほかにたくさんある気がして、恋愛はもっと大人になってからすればいいと……。

田原 もう、十分大人だと思うけど(笑)。





春香 そうなんですよね。実は、スイスでは小学生から恋愛話をするくらい、みんなませていて、私はついていけなくて引いてたんです。高校生になったら恋愛もいいかなと思っていたんですが、日本でももうみんな当たり前に恋愛していて。

田原 日本でも高校生は普通に恋愛していますよ。

春香 ちょっと出遅れた感があって、恋愛の輪に入り込めなかったんです。

田原 でも、春香さん、綺麗だから男性のほうから、「つき合ってください」って言ってくるんじゃない?

春香 いえいえ、まったくモテないです(笑)。

田原 あ、そうか。春香さん、綺麗すぎるんだよ。綺麗すぎるから、男たちは恐れをなして声をかけられない。

春香 いえいえ。たぶん、私の問題もあるかと。高校生のときは「こんにちは」って言われても、下向いて挨拶を返すくらいネクラの子だったんです。

田原 あまりコミュニケーションが得意じゃなかった?

春香 はい。自分から話しかけるのも苦手で、男の子とも10秒以上会話ができなかったんです。

田原 今はコミュニケーションが苦手とは思えないけれど、いつごろから変わったんですか?

春香 この仕事を始めてからですね。

田原 そもそもテレビの仕事を始めたきっかけは?

春香 テレビの世界にあこがれていたので、スイスに住んでいたときから、インターネットでオーディションに何回も応募はしていたんです。ホリプロのオーディションに。父は厳格な人で、芸能界に理解がなかったのですが、唯一、山口百恵さんのファンで、百恵さんがいたホリプロならいいと言われて、ひたすらインターネットで、ホリプロばかり受けていました(笑)。

田原 インターネットの応募って、どんなことを書くの?

春香 普通に年齢、体重、身長と、特技・趣味とかです。

田原 特技・趣味は何を?

春香 4カ国語しゃべれるとかです。

田原 それ、すごいことだけど、ホリプロはダメだったの?

春香 はい。翻訳家を探しているわけじゃないから、と。

田原 4カ国語でギャグ言うなんてね、すごいことだと思うけど。

春香 今はありがたいことにやらせてもらっていますが、当時は……。

田原 まあ、当時はホリプロに目がなかったんだね。で、日本に来てからは?

春香 あきらめずに応募し続けて、ようやく演劇ユニットに受かったんですが、外国人なので、なかなかドラマの役もなくて落ち込むばかりで……。唯一の楽しみが、お笑いの芸人さんの物真似で、家のユニットバスの鏡の前でそればかりやっていました(笑)。

田原 どんな芸人さんの真似を?

春香 オードリー春日さんとか、あのころブレイクしていた小島よしおさんとか。それで、当時、深夜のお笑い番組で、芸人さんが自分の特技を披露するというのがあって、そこでお笑い芸人の世界のナベアツ(現・落語家桂三度)さんのネタを4カ国語でやったらウケて、それがテレビに出たきっかけです。

田原 芸能界って、どこにチャンスが転がっているかわからないね。で、デビューして、苦手なコミュニケーションが克服できた?

春香 克服とまではいかないんですが、以前よりは雑談ができるようになりました。

田原 春香さん、雑談が苦手なの? 実は、僕も雑談が最も苦手なんです(笑)。

春香 本当ですか? 歴代の総理大臣にもインタビューしてきた田原さんが……。信じられません!

田原 本当ですよ(笑)。地方で講演会があると、待ち時間に地元の関係者と雑談しなければならないのが苦痛で、妻が生きていたころは同行してもらい、僕の代わりに雑談をしてもらっていたんです。まず、興味のない話ができない。たとえば、食べ物の話をされても、食べることにそれほど興味がないので、会話が続かないのです。 

春香 その感じ、わかります!

田原 春香さんも雑談は苦手でも、興味のある話ならできるでしょ。

春香 もちろんです!

田原 コミュニケーションは大事だけれど、無理に取ろうとすると、なおさらうまくいかないね。

春香 そうですよね。私、雑談が苦手だから、「話かけないで」オーラを出していたところがあったかもしれません。それが相手にも伝わり、会話が進まない……。

田原 そうね。苦手な僕が言うのもなんだけど、雑談も挨拶程度に考えて、軽くかわせばいいんじゃない。

春香 はい。おかげで気が楽になりました(笑)。


◎恋愛がわからない!?

田原 バラエティからニュース番組まで幅広く活躍されて、今は売れっ子になっているんだけれど、本当にボーイフレンドはいないの?

春香 本当なんです……。

田原 日本の男はダメ?

春香 いえいえ。むしろ、ヨーロッパ系の、背が高くて声が低くてマッチョな男性のほうがダメです。

田原 そうか。背が高くて声が低いマッチョはダメか。

春香 スイスでは、そういうタイプの男子ばかりで怖かったです。

田原 じゃあ、日本のほうがいいじゃない?

春香 はあ……日本の男性のほうがいいなあとは思うんですが……。

田原 でも、このごろの日本の若者たちは草食動物で、ちゃんとアプローチしてこない?

春香 こないですね。最近では絶食系という言葉まであるくらい……。

田原 仕事柄、学生やさまざまな分野で活躍する若者たちと話をする機会があるけど、彼氏・彼女がいない人もけっこういるし、結婚に至っては必要性を感じないという声も聞くね。国の調査(厚生労働省「人口動態統計」2012年)でも、未婚者で交際中の異性がいない男性は6割、女性は5割、生涯未婚率(50歳までに一度も結婚経験のない割合)も上昇していて、男性2割、女性1割に達している。

春香 実は、私も絶食系女子というか、どうしたら恋愛に踏み出せるのか、まったくわからないんです。

田原 えっ、わからない? 

春香 はい。そもそもどこからが恋愛なのか、何が恋愛なのか、恋愛ってしたほうがいいのか……。

田原 いやいや、恋愛はしたほうがいいに決まってる! 永遠のテーマだし、これからますます大事になってくると思うね。今、なぜ恋愛かといえば、女性に経済力がなかった時代、女性は結婚して初めて生活を安定させることができたんです。僕が最初の妻と結婚した昭和35年当時は、女性は結婚したら仕事を辞める、寿退社が一般的だった。仕事もお茶くみなどの補助的なもので、いずれ辞めてしまうことを前提に給料も低く位置づけられていた。つまり、女性が結婚する目的の多くは経済であり、それほど恋愛感情がなくても結婚に踏みきれたわけ。

春香 女子トークを聞いていると、男性に経済力を求める傾向は、今もあります。

田原 そうね。男性に養ってもらいたい願望は今もあるね。だけど、今は女性も経済的に自立してひとりで生きていける。日本でも男女雇用機会均等法の施行以降、女性の社会進出が進み、総合職への道も開かれてきて、男性並みに高収入の女性も増えた。結婚は、生活のためにしなければならないものから、人生の選択肢のひとつになった。

春香 私の周りでも、キャリア志向の女性やシングルライフを謳歌している先輩がいます。

田原 テレビ局などではそういう女性が多いよね。で、結婚が選択肢のひとつになると、決断には相応の理由が必要となる。だけど、条件のいい人といっても、高収・高学歴の男性はそうそう巡り会えるものではない。

春香 私は行ったことないですが、合コンでは、やはり高収・高学歴の男性がモテるとか。

田原 でも、一部上場企業は全体のわずか1割程度にすぎない。たいていの人は中小企業で働いているのが現実でしょう。そうなると、よほど好きな人でなければ結婚に踏み切れない。だからこそ、恋愛が大事になってくる。

春香 なるほど。恋愛がわからない私なりに、ちょっと納得です(笑)。


◎恋愛のない人生なんてつまらない!

田原 まあ、だけど、恋愛や結婚は個人の自由なんだし、するもしないも大きなお世話なんだけど、それでも僕は若い人たちに、もっと積極的に恋愛しようよ! と言いたい。

春香 そう言われても……やはり、私にはハードルが高いです。

田原 どうして? フラれるのが怖いから? そんなことないでしょう。 僕の場合は……春香さんは僕を理想の男性と言ってくれているけど、僕は決して女性にモテるタイプではなかったし、かなりの奥手だったんです。好きな子がいても声もかけられず、高校生どころか、大学生になっても女性の手も握れなかったのですから。

春香 えーっ、本当ですか!

田原 本当ですよ(笑)。だから僕の場合はすごく、フラれるのが怖かった。容姿もたいしたことないし、就職の際の健康診断で、「肩幅が子どもみたいに狭いね」と言われてショックを受けるくらい体つきも貧弱で、まさにコンプレックスの塊だった。つまり、男として自信がないから、好きな女性がいても声もかけられなかった。つまりかくいう僕も、実は恋愛に消極的だったんです。

春香 そんな田原さんが、恋愛をすすめるのは、なぜなんですか?

田原 みんな恋愛が面倒とか、自信がないとか言うけど、本当のところ、恋愛を望んでいない男女はいないと思うからです。

春香 そうでしょうか……。

田原 だって、僕自身がそうだから! 僕は奥手でコンプレックスの塊だったけれど、一度も恋愛をしなくてもよいと思ったことはないんです。そのおかげか、4月で80歳になろうという今も、交際している女性がいる。

春香 ええっ、驚きです!

田原 別にそんなに驚くことじゃないよ。高齢社会なんだし珍しくないね。

春香 たとえば、どんなデートを? 私が恋愛に至るには時間がかかる(笑)と思うので、参考までにぜひお聞きしたいですね。

田原 別に若い人と変わりないよ。毎晩その日の出来事を電話で報告し合ったり、ときどき食事に行ったり。違うのはメールでなくて電話なことくらいだね(笑)。彼女は高校のときの文学会の仲間で、当時、思いを寄せていた女性。お互い伴侶を亡くして独身同士で、数年前に同窓会で顔を合わせてようやく告白することができたんです。

春香 素敵なお話ですね。

田原 そうでしょう(笑)。いくつになっても恋愛はいいものだし、人生には欠かせないものだと実感している。だから、春香さんにも、臆せずに恋愛をしてほしい。

春香 そうおっしゃられても……。恋愛とは何かもわからないのに、実践するのは難しいです。

田原 恋愛とはなにか? そんな難しいこと考えなくても、単純に、好きになればいいんですよ。あの子、いいなあと思えば、ちょっとつき合ってみようかとか。

春香 そんなあ……どうやって好きかどうかを見極めたらいいかがわからないです。

田原 見極める? そんな必要ないよ。恋愛って、気持ちだよ。自分の気持ちに正直になればいいんです!

春香 はあ……人間としてこの人、素敵だなあと思うことはありますが。

田原 「素敵!」、それでいいじゃない! 好きかどうかなんて、見て感じがいいなと思えばいいんじゃない?

春香 えっ、その程度でいいんですか? だって、感じのいい人は、世の中にいっぱいいるじゃないですか。

田原 どんな人でも感じがよければいいんじゃない。たとえば、結婚していても、していなくても……。

春香 ええっ!?

田原 えっ、ダメなの?

春香 さすがに結婚している人とは社会的に……。
【おふたりの近著】


◎田原総一朗

塀の上を走れ――田原総一朗自伝
『塀の上を走れ――田原総一朗自伝』

誰もが書かなかった日本の戦争
『誰もが書かなかった日本の戦争』

竹中先生、日本経済 次はどうなりますか? (田原総一朗責任編集 オフレコ! BOOKS 2時間でいまがわかる!)
『竹中先生、日本経済 次はどうなりますか?』



◎春香クリスティーン


永田町大好き!  春香クリスティーンのおもしろい政治ジャパン
『永田町大好き! 春香クリスティーンのおもしろい政治ジャパン』

田原総一朗(たはら・そういちろう)

1934年4月15日滋賀県生まれ。早稲田大学卒。岩波映画製作所、東京12チャンネル(現・テレビ東京)を経て、1977年フリーのジャーナリストに。1987年開始の「朝まで生テレビ」(テレビ朝日系)では、ストレートな物言いを武器に政治・経済・教育など幅広い問題について鋭く切り込む。1998年ギャラクシー35周年記念賞受賞。2010年「激論!クロスファイア」(BS朝日)開始。2002年「大隈塾」開講、2005年より早稲田大学特命教授。『日本の戦争』(小学館)、『塀の上を走れ 田原総一朗自伝』講談社)、『誰もが書かなかった日本の戦争』(ポプラ社)、『田原総一朗責任 編集 竹中先生、日本経済 次はどうなりますか?』(アスコム)など、著書多数。

春香クリスティーン(はるかくりすてぃーん)

1992年1月26日生まれ。ホリプロ所属。スイス出身。高校二年生のときに来日。上智大学文学部新聞学科に入学。趣味は政治家の追っかけと国会議事堂見学。田原総一朗さんのファンとしても知られ、「朝まで生テレビ」(テレビ朝日系)の収録の際には、田原さんの出待ちをするほど。4カ国語(日本語、ドイツ語、フランス語、英語)を話せるグローバルなタレントとして活躍中。