「79歳の僕だって交際してる。 『好きです』って言わなきゃ!」 田原総一朗 春香クリスティーン 田原総一郎×春香クリスティーン 都知事選、じゃなくて、このおふたりなのに今日はなんと“恋”のお話。 
バレンタイン特別企画、田原総一朗と春香クリスティーンが“恋バナ”まじ語り。
そして背中を押された春香さんが……初恋、そして失恋!? 
体験したての「後日談」まで、一挙大公開!
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◎恋愛とモラル論争

田原 確かに不倫はよくないよね。春香さんの僕に対するイメージを壊すようで心苦しいんだけど、実は、僕は最初の妻・末子をがんで亡くしたあと、再婚したんだけど、その妻・節子とは不倫の末、結ばれたんです。お互い家庭のある身だったんだけど、惹かれ合ってしまったら、それはどうしようもなかった。

春香 どうしようもない……?

田原 そう。彼女は日本テレビのアナウンサーで、僕は彼女の番組の構成者として関わっていて、議論のセンスがお互いとても合ったんです。仕事を通して話しあううちに、世の中とはかけ離れた常識や価値観、感覚までもがとてもフィットした。気がついたときには、わかり合えるパートナーしてお互いなくてはならない存在になっていた。

春香 で、つき合うように?

田原 そう。でも、つき合うといっても、何年間も、会ってひたすら話をするだけ。キスもしなければ手も握らなかった。

春香 それはやはり、不倫は悪いという気持ちから?

田原 うーん。不倫がいいか、悪いかって言ったら悪いに決まってる。道徳的には決して褒められない行為でしょう。けれど、惹かれ合ったらどうしようもない。不倫は、“業”としか言いようがないね。だから、僕らが何年間も結ばれなかったのは、いい・悪いというより、僕が恋愛に不器用だったことに加え、お互い一線を越えたら後戻りできないという思いが大きかったからだと思う。

春香 もちろん、罪悪感はあったでしょう。

田原 当然、妻を裏切っているという罪悪感はあったし、ずるいといわれるかもしれないが、僕は妻や子どもたちを愛していたし、戦前の教育を受けていたから、家長として妻や子どもたちに不自由のない生活を保証する責任があると思っていた。

春香 えーっと、あのー、恋愛って、いい・悪いだけでは語れないものなんでしょうが、経験のない私にはすでに理解の域を越えています……。

田原 そうだよね。失礼しました。恋愛がわからないって悩んでいるのに、不倫の話なんて答えようがないよね(笑)。ところで、春香さん、森鴎外って知ってる?

春香 あの、『舞姫』とか書いた作家ですよね。

田原 そう。実は、僕がいちばん尊敬している作家は森鴎外で、鴎外は作家としての信念や自分の生き方を貫き通したんだけど、その一方で家長意識が強く、家族も守った。僕は鴎外のいろいろ抱え込んでも妥協はしないという生き方が好きで(彼はそれをドロップアウトと表現していた)、僕も仕事では思う存分好き勝手にわが道を進んできたけど、同時に家族の生活を守るように努めてきた。だから、節子とつき合うことで妻や子どもたちを傷つけることは絶対にしてはいけないと思っていたんだ。

春香 で、節子さんとはどんなタイミングで再婚されたんですか?

田原 最初の妻・末子が亡くなってから5年後、つき合ってからだと27年後だったけど、節子もまたがんを患って亡くなってね。結婚生活は14年だったけど、彼女とは一生ものの恋愛をしたと思っている。

春香 節子さんはどんな方だったんですか?

田原 当時ではまだ珍しい、ただ原稿を読み上げるアナウンサーとは違って、物事を深く考えて論理的に語れる女性でね、理知的で媚を売らないところに惹かれた。どちらかといえば女性の味方で、同性から好かれるタイプだったね。

春香 お会いしてみたかったです。

田原 まあ、春香さんにいきなり不倫はすすめないけど、恋愛はモラルに縛られてするものじゃないと思うよ。結婚もしかりで、僕はどんどん結婚して、合わなければどんどん離婚すればいいと思っている。離婚がめんどうなら、事実婚でもいいし。

春香 離婚も、事実婚もありですか? 問題でしょう。

田原 問題ないよ。フランスでは結婚しないで一緒に住んでる事実婚がいっぱいいるじゃないですか。フランスの現大統領フランソワ・オランドさんだって事実婚だったし、別にいいんじゃない?

春香 たしかに、そういう例はヨーロッパではよくありますが……。

田原 春香さんだって、ヨーロッパ系じゃない。

春香 そうですが、スキャンダラスな感じがして……。たしかに、スイスの高校時代の友人のfacebookのトップ画面はキスしている写真だったり、この人とつき合っていますと、堂々と宣言する写真が貼ってあったり、男女の関係はオープンだと思いますが。

田原 そんな写真を見て春香さんはどうなの? 嫌だなあと思うわけ?

春香 私は引いてしまいます。「お幸せに!」っていう感じです。

田原 春香さんは、とっても道徳意識が高いんだね。

春香 どうなんでしょう? でも間違ったことをするのはどうかと……。

田原 じゃ、男と女がキスするのは、よくないと思っているわけ?

春香 キスするシチュエーションによってですが、やはり人前ではちょっと。





田原 春香さんは、誰かにキスをしてほしいなあと思ったことは?

春香 キスしてほしいですか? 正直、まだないです。そこまで近しい関係になったことがないので。

田原 なんでならないの? 

春香 男の人と食事に行く機会も、なかなかないですし……。

田原 春香さんのほうから、「一緒に食事に行きませんか」って誘えばいいじゃないの。

春香 あのう……、片っ端から、いろんな人を誘ったほうがいいんですか?

田原 いや、必ずしもいいとは思わないけど、ちょっと感じがいいなと思ったら誘うのは、なんの問題もないんじゃない。ちょっと誘って話をしたいなと、思う子はいるでしょ?

春香 話を聞きたいなあと、思う人はいます。でもそれは、プライベートなことではなくて、たとえば、私と同じように、政治に興味を持っている人の意見だったりですね。

田原 だったら、その政治の話を聞くのに、食事をしながら聞いてもいいんじゃない? 別に男の子と一緒に食事をするときに、愛がどうしたとか、そんな話をしなくてもいいじゃない(笑)。自民党がどうとか消費税はどうなるとか、そういう話をしながら食事をしたっていいと思う。

春香 でも、政治の話からどうやって恋愛に発展するんですか?

田原 僕は妻の節子と恋人時代、一緒にベッドに入ってからも、今の総理大臣はダメだとか、どこの党がダメだとかいう議論をよくしていた。

春香 そうなんですか!

田原 実際、論争すると、女性のほうが強いね(笑)。夜中の一時になっても二時になっても論争が続くわけ。僕のほうが今日はもう閉店といっても、彼女は納得いくまで話をしたがったね。

春香 デートで議論ですか。うらやましいですね。

田原 さっきも話したとおり、彼女とは議論のセンスがお互いに合っていたんだと思う。あるとき、番組の企画会議で、電車で男が痴漢をするのは、病気か特殊な男だろうという意見が出た。春香さんは、痴漢するのは特殊な男だと思う?

春香 どうでしょう、よくわかりません。

田原 僕は違うと思う。男はみんな痴漢をしたいんですよ。

春香 えっ、そうなんですか!

田原 痴漢をして女性に怒られたり、警察に捕まったりするのが怖いからしないだけで、実はみんな願望はあると思う。

春香 好きな人でなくても、お尻触りたいんですか?

田原 そう、触りたいと思う。それが証拠に、男たちがよく行くストリップショーっていうのがある。これは一種の痴漢ですよ。春香さんは男のヌードを見たいと思う?

春香 男の人のストリップショーに行くっていうことですよね。まったく興味がないですね。

田原 そこがね、男と女のまったく違うところなんです。

春香 たしかに、違いますね。

田原 彼女とこの議論をしたらとてもフィットして、それで深くつき合うようになっていった。

春香 じゃあ、議論を続けていたら、恋愛に発展するんですか?

田原 可能性はあるね(笑)。もっと言うと、僕の原稿やテレビ出演を彼女に批評してもらっていた。彼女は本音で話をするので、僕はしょっちゅうコテンパンに批判されていた。だけど、それは僕のための善意の批判なので、逆に僕はすごくありがたかった。それからどんどん関係が深まっていった。

春香 そういう恋愛もあるんですね。

田原 だから、まずは、理屈抜きで、春香さんの好きな政治の話をすればいい。そして、この人と話が合うなと思ったら、次に食事をしたっていいじゃない?

春香 でも、恋愛ドラマとか恋愛小説では、そんなデートってないし……。

田原 そうだね。たしかにドラマでは絵になりにくいから、ないのかもしれない。でも、現実にはいろいろなケースがあると思うけど。

春香 ドラマのように、おしゃれなカフェで愛を語り合ったり、海辺を手をつないで散歩したりするのが、普通かと思っていました。

田原 ドラマはあこがれの世界を創りあげているのであって、しょっちゅうそんなデートをしている人は少ないと思うよ。それに恋愛小説はね、あまり恋愛をしたことのない男が書いてることが多いんですよ。こうあってほしいという、自分の願望を書いているわけ。だから恋愛小説を書いている男は、たいがいモテないね(笑)。

春香 一時期、本当に恋愛ってわからなくて、恋愛小説を読めばわかるかと思い、片っ端から読んでみたんですが。

田原 読んでもわからないでしょう?

春香 はい。たしかに、恋愛小説に出てくるシチュエーションって、ないですね(笑)。

田原 ほとんど想像の世界ですから。春香さんは、恋愛ドラマや小説に毒されていると思う。唯一、実体験をもとに恋愛小説を書いている作家は、僕が知る限り、渡辺淳一さんくらいですね。


◎政治ばなしから始まる恋もアリでしょう

田原 どう、少しは恋愛に興味が出てきた?

春香 理屈やモラルではないというのはわかりましたが、まだ、自信がないですね。

田原 じゃあ、恋愛ではなく友達づき合いならどう? 

春香 それもあまり……。ひとりで家にいたらすぐテレビをつけちゃうぐらい寂しがりやなんですが、人と話をしたときに、受け入れてもらえなかったらどうしようと思うと、怖いんです。

田原 なんで怖いの? 何度も言うけど、春香さんのような綺麗で、聡明で、性格もいい人が、受け入れられないわけがないでしょう。男はけっこう親切なんですよ。だから、男が女性を振るっていうことはめったにない。だいたい世の中の多くはね、男が振られるんですよ(笑)。

春香 では、仮に友達になって、そこから恋愛関係に発展するにはどうしたらいいんですか? 私、失敗しそうで……。

田原 失敗しないって。いきなり、「死ぬまで私を愛して!」なんて言わないでしょう?(笑)

春香 とてもそんなこと、言えません! どう切り出したらいいのか、わからないんです。なんて言ったらいいんですか?

田原 「あなたが好きです」って言えばいいじゃない。「あなたのこういうところがとても好きです」って言ったら、相手は喜びますよ。で、当然、相手も「僕もあなたのこういうところが好きだ」って言いますよ。もちろん、いつもそんな会話はしないでしょうが、お互いの気持ちが合ったときの会話はそういうものでしょう。

春香 恋愛もそうですけれど、友達とも会話が広がらないんですよ。

田原 なんで広がらないの?

春香 子どものころから、家で本でばかり読んでいるような子で、同級生とも話が合わなかったし、大学生になった今も、周りと話が合わないので、みんなの輪の中に入っていけないんです。

田原 同世代でしょう。なんで話が合わないんだろう?

春香 先ほどもお話ししたように、だいたいが私の興味のないファッションやメイクの話ばかりなので……。

田原 なるほど。春香さんは、何に興味があるの?

春香 やはり政治、国会情勢です! 安倍政権になって1年が過ぎ、昨年は消費税増税に始まり、原発、議員定数削減、特定秘密法案、日本版NSC、普天間基地移設、靖国参拝など、目が話せないテーマが盛りだくさんでした。

田原 それなら、たとえばストレートに「安倍政権になって、どう思う?」なんて話しかければいいんじゃない? 興味がないとは言わないよ。上智の学生でしょう。意地でもそんなこと恥ずかしくて言えないんじゃないの。

春香 でも、最近の学生はけっこう正直で、大学の飲み会で『政官要覧』を広げて、「どう思う?」って話しかけても、「何それ?」って感じなんです。

田原 『政官要覧』なんて出すからですよ(笑)。つまり、彼らは政治について聞かれたら答えられないから、政治に興味がないって言ってしまえば、恥をかかないと思った。見栄を張ったんですよ。

春香 なるほど。見栄ですか……。

田原 実は、政治だけでなく、日本の現代史を知らない学生が多いんです。領土問題をテーマに大学生と質疑応答する会を開いたときに、韓国の竹島実行支配をめぐる話のなかで、戦後、韓国と日本がまともに交渉したのが、1965年の佐藤内閣のときであると説明した。参加者は150名くらいだったのだけど、誰も佐藤栄作を知らなかった。

春香 ひとりもですか?

田原 そう。もっといえば、日本が独立した年も知らなかった。1989年がなんの年かも知らなかった。春香さん、1989年は何が起きた年だ思う? 

春香 バブルが弾けた年?

田原 バブルは91年。1989年はベルリンの壁が崩壊した年で、冷戦が解けたんだ。さらに、天安門事件が起きて、日本では昭和天皇が亡くなった年でもある。つまり、今、高校や大学では、明治から現代までの歴史を深く教えてないんですね。たぶん、上智も教えてないのでは?

春香 教わらないですね。私が編入したときは、日本史Bというのを学びました。

田原 ちょっと聞きたいんだけど、太平洋戦争ってなぜ起きたか習った?

春香 なぜ起きたか? ……習っていないです。

田原 なぜ起きたか、日本の学校では教えていないんです。要するに、あのとき、日本はすでに中国と戦争をしているんですよ。中国と戦争をしているうえに、アメリカ、イギリス、オランダ、のちにはソ連とも戦うけど、負けるに決まってるわけ。どうして負けるとわかっている戦争をしたのかは教えていない。ちょっと前までは、あれは日本の侵略戦争だったと教えているけど、僕はあの戦争は、日本の外交がいかに下手だったかということだと思っている。今の竹島や尖閣も、日本の外交が下手だから問題が拡大している。

春香 教科書で、日本の外交が下手だというのは書きづらいからでは?

田原 いや、どんどん書いたらいい。今の領土問題も、日本と韓国の歴史を知らないと、疑問も持てないと思う。

春香 私、田原さんの恋愛の話も目からウロコでしたが、日本の歴史も勉強したくなりました。周りにあまり話が合う人がいなくて、刺激されることが少なくなっていて、本来の自分を見失っていたような気がします。

田原 春香さん、今のような話は、楽しいですか?

春香 はい、とても(笑)。政治だけでなく、哲学的な話もしたいと思いました。

田原 初めから恋愛でなくても、今、僕が言ったようなことを話し合える相手がいれば、男性とも話はしたいと思うでしょ?

春香 もちろんです!

田原 春香さん、声のトーンが変わってきたね。今のように、政治や歴史の話をするときと同じ調子で、どんどん相手と向き合えばいいんですよ。そうしたら、話をするのが怖いとか思わなくなりますよ。まずは、春香さんの好きな話に乗ってくれる人を探すことが先決かな。そして、見つかったら、春香さんの好きな激論を戦わせてもいいんじゃない。

春香 そうなんですね。今のまま、政治に興味を持っていていいんですね(笑)。

田原 もちろん! そうして何回か話す機会を増やしていって、つき合っていくうちに、話の端々に相手の長所や短所が見え隠れしてきますよ。「ああ、この人のこんなところがいい、でも、ここは嫌い」とかね。会う回数を重ねるごとに、どんどん好きになるかもしれないけれど、逆に嫌いになるかもしれない。でも、恋愛ってそういうもので、本当に好きになったら、相手の嫌いな部分も「認める」ということが、大事なんです。

春香 そうか、そうなんですね。私にできるでしょうか?

田原 大丈夫、春香さんならできますよ。

春香 じゃ、はじめから、「恋愛、恋愛!」って思わなくてもいいんですね。

田原 そう。春香さんの興味のある話に、興味を持ってくれる男を見つけりゃいいんですよ。

春香 ありがとうございます(笑)。

田原 今日は私のお恥ずかしい恋愛話も聞いてくれてありがとう。少しは参考になったかな?

春香 はい。ちょっと恋愛にも興味が出てきました。欲をいえば、田原さんから政治や歴史の話をもっと、もっとお聞きしたかったです(笑)。

田原 大丈夫! 僕の周りには、政治や歴史の話が好きな若者がたくさんいますから(笑)。春香さんとだったら、みんな「ぜひ話してみたい!」って言うと思うね。

春香 本当ですか!? どうぞ、よろしくお願いします。今日はいろいろアドバイスいただき、ありがとうございました。






撮影:田中慶  取材・構成:二宮明子




……と対談を終えてからしばし時間がたち、2月5日の「スポーツ報知」紙上に春香さんが「失恋しました」なんていう記事が! お相手は「田原総一朗さんの20代バージョンのようなルックスの方で、とっても優しい男性でした」とも。これはいったい!? と編集部が春香さんを直撃してみると――

春香クリスティーン 「初恋、終わっちゃいました」

そうなんですよ~~。実はあの対談の後好きな人ができて、でも、もう終わっちゃったんです(泣き笑い)。

――それはそれは……もしよければ顛末をお聞きしても?

はい。実はまだほんと最近の話で、微妙にショックから立ち直ってないぐらいなんですが(笑)。

――すみません、ずけずけと。

大丈夫です。まずは……対談の後、田原さんにも背中を押して頂いたし、「やっぱりもっと社交的になろう」と、ケイタイのメモリに入ってる方に片っ端から連絡して「ごはん、行きませんか?」って言ってみたんですよ。男女問わず。といっても仕事が終わった後とか突然お誘いすることも多かったし断られることも多かったんですが、彼はそんな誘いに応じてくれて。

――どんな方だったんですか? 

大学つながりの飲み会で知り合った20代半ばの方でした。芸能界とは関係ない、ふつうの会社員の方です。初対面のときに特にビビっときたとかではなかったんですが、私としては、とにかく人見知りを克服したいという動機もあったし、まずお誘いして。そしたら、快く応じてくれて、待ち合わせのレストランまで決めてくれて。確か最初は、雰囲気のいいフレンチかイタリアンのお店でした。あ、でも、そのときはちょうど食べ物ロケを終えたばかりお腹が空いてなかったんですよね(笑)。でもとにかく社交的になろうとひたすらしゃべって。

――どんな話を?

ほとんど政治の話題です。ふつうはある程度のところで、もう政治の話はいいでしょとなるんですが、彼は最後まで興味津々で聞いてくれて、あぁ、ありがたいなあ、と。

――ありがたい、と(笑)。

はい(笑)。彼も「楽しかった。またごはん行こうね」と言ってくれたし、その後も、ちょくちょく食事に行くようになって。彼は聞いてくれるだけじゃなくて、「それで?」とか「なんでそう思うの?」なんていっぱい質問してくれるんですよ。なんか本当に田原さんみたいで。雰囲気も似てるし……気がついたら「好きかも」と思ってました。
決定的だったのは、居酒屋で明け方まで飲んだ帰り――。そろそろ始発も動くし駅まで送るよと言われたときに、「そうだ、ここからなら防衛省が近い」と、誘ってみたんですよ。ちょっと歩きませんかって。ちょっとっていうかわりと距離はあったんですけど(笑)。でも、喜んで歩いてくれた!

――防衛省まで!

そう!! もう、運命の人だと思いました(笑)。「カワイイね」なんてあたまをポンポンしてくれたこともあったし、これはと思って、後日告白を。「好きです」って。そしたら「ありがとう。でも俺、いまは彼女いらないんだ」って。

――いまは……?

すぐ検索しましたね、「いまは」「彼女」「いらない」で。で、 「仕事を優先したい時期なんだ」とか、「まだ遊びたいんだ」とか、いろんな解釈が出てきたんですが、わたし的には「きっと今は仕事をがんばりたいときなんだな」と。つづけて「でも、きみが彼女にいちばん近い存在だよ」って言ってくれてたし! と。
まあ、でも、いま思うとおかしいことはたくさんあったんですよ。「好きだよ」とはついに言ってくれなかったし、メールも電話も向こうから来ることはほとんどなかったし。

――なるほど。

でも、「俺、メール無精だから」って最初に言われたんで。「貰うのは嬉しい」とも。でもいまは断言できます。メールの返事がないのは「メール無精だから」じゃない(笑)。で、このあいだ、たまたま会った知人にふいに言われたんです「そういえば、××さん、今度結婚するんだってね」って。

――結婚!

呆然としました。つい一週間前にも電話で一時間ぐらい悩み相談に付き合ってくれたのに……バレンタインに再アタックしようと思ってたのに……ファーストキスも奪われたのにって。

――ファーストキス!

あ、正確には私のファーストキスはお笑いタレントのいとうあさこさんに奪われてるんですけど(笑)。男の人としたのは初めてだった。

――で、どうしたんですか?

電話しました「結婚おめでとう」って! 

――勇気ありますね! 彼はなんて?

「え? 結婚なんてしないよ?」と最初は否定していたんですが、最終的には、「実は途中で彼女ができて」と。あー、いろいろ嘘つかれてたんだなと目が覚めました。初恋だったのに……。
なんていうか、恋愛って、思うようにいかないものなんですね。それに、がんばればいいってもんでもないんだなって、よくわかりました。あと、「カワイイ」は「好き」ってことじゃない。好きじゃなくてもそれぐらい言えるんですよ……。

――(笑)もう恋愛はこりごりですか?

いやいや……でもつくづく思ったのは私は他人のことを知らないなって。特に男の人のことを知らな過ぎるって。今年は男の人のことを、そして恋愛をもっと勉強しようって思ってます。ちょうど今月から、レギュラー出演させて頂いてるラジオの企画で「目指せ恋愛エリート!レコ大少女漫画学部!」というコーナーをやることになったので、この機会に少女マンガもいっぱい読もうって。いまは第一回の課題図書として水城せとなさんの『失恋ショコラティエ』を読んでます。

――あらためて、今度はどんな恋愛がしたいですか。

次は、彼女がいない人と(笑)、そうですね、もっとお互いのことをさらけ出して、交換日記とかできるような、そんな関係がつくれるようになったらいいなあと思ってます。


2014/02/13 更新
【おふたりの近著】


◎田原総一朗

塀の上を走れ――田原総一朗自伝
『塀の上を走れ――田原総一朗自伝』

誰もが書かなかった日本の戦争
『誰もが書かなかった日本の戦争』

竹中先生、日本経済 次はどうなりますか? (田原総一朗責任編集 オフレコ! BOOKS 2時間でいまがわかる!)
『竹中先生、日本経済 次はどうなりますか?』



◎春香クリスティーン


永田町大好き!  春香クリスティーンのおもしろい政治ジャパン
『永田町大好き! 春香クリスティーンのおもしろい政治ジャパン』

田原総一朗(たはら・そういちろう)

1934年4月15日滋賀県生まれ。早稲田大学卒。岩波映画製作所、東京12チャンネル(現・テレビ東京)を経て、1977年フリーのジャーナリストに。1987年開始の「朝まで生テレビ」(テレビ朝日系)では、ストレートな物言いを武器に政治・経済・教育など幅広い問題について鋭く切り込む。1998年ギャラクシー35周年記念賞受賞。2010年「激論!クロスファイア」(BS朝日)開始。2002年「大隈塾」開講、2005年より早稲田大学特命教授。『日本の戦争』(小学館)、『塀の上を走れ 田原総一朗自伝』講談社)、『誰もが書かなかった日本の戦争』(ポプラ社)、『田原総一朗責任 編集 竹中先生、日本経済 次はどうなりますか?』(アスコム)など、著書多数。

春香クリスティーン(はるかくりすてぃーん)

1992年1月26日生まれ。ホリプロ所属。スイス出身。高校二年生のときに来日。上智大学文学部新聞学科に入学。趣味は政治家の追っかけと国会議事堂見学。田原総一朗さんのファンとしても知られ、「朝まで生テレビ」(テレビ朝日系)の収録の際には、田原さんの出待ちをするほど。4カ国語(日本語、ドイツ語、フランス語、英語)を話せるグローバルなタレントとして活躍中。