Mami、2万字インタビュー Mami バイリンガルニュース・Mami、2万字インタビュー この夏、「バイリンガルニュース」という番組がiTunesのPodcastランキング1位を爆走した。Michael &Mamiという謎めいたふたりが、英語と日本語で交互にニュースを読み上げ、感想を言い合う。それだけなのに、妙に面白い……。いちはやくハマった爆笑問題の太田光さんが自身のラジオ(&Podcast)「JUNK 爆笑問題カーボーイ」で繰り返し紹介、さらに中毒者が増え続けている同番組のMamiに、番組設立のきっかけや思い、Michaelとのこと、全部聞いてみました。
Michael &Mamiが独自のセンスで選んだニュースを元にフリートークを展開する
Podcastの人気番組「バイリンガルニュース」。はいこちらポンポコ商事です、と
爆笑問題の太田光さんもいち早く注目し「JUNK 爆笑問題カーボーイ」で紹介。
そんな番組のパーソナリティMamiに、気になることを全部お聞きしました。
(Mamiはこの後2015年1月に入籍を発表! 相手はMichaelではありません)






◎お互いに面白いと思うニュースを持ち寄って


──収録はMichaelの自宅でしてるんですよね。どういう環境で行われているんでしょう。

Michaelの自宅は普通のワンルームマンションなんですけど、それで最初は激安のUSBのマイクを使ってたんですよ。こんな小っちゃい。それだとさすがにまずいかなって、普通のスタンドマイクとか、ポップフィルター(マイクが呼吸音のノイズ等を拾わないためのガード)も買って──それでMichaelがいろいろがんばっていじった結果、いまのようになりました。スタンドマイクも最初は1本をふたりでシェアしてたんですけど、いまはゲスト用も含めて3本。今日ちょうど「もう1本買おうか」って話してました。すごい前進(笑)。今後ゲストが増えるときのことを考えて。

──収録は前後の作業含めて、5、6時間くらいかかるとか。

けっこう1日作業なんです。昼の2時3時から始めて、夜の6時7時に終わる。それを週に2回やってるから、もう趣味の領域を超えてる(笑)。音響さんとかもいないから、まずマイクのセッティングから始めて、マイクテストをして、そのあと内容のミーティング……といったら大げさなんですけど、ふたりでfactの部分だけ、日本語と英語で同じことを言えるようにして。「何百万」とか「何十億」とかの数字をすぐ英語と日本語に切り替えるのがけっこうめんどくさいので、事前にふたりでメモだけとって。

──毎回セッティングから始めるんですね。そんなに準備をしていてもちゃんと録れてないときもあったり(笑)。

そうなんですよ(笑)。ラップトップについてるマイクで録音しちゃって、それに私もMichaelも全然気づかなくて。収録が終わって駅に向かってたら電話がかかってきて「問題が発生したから、ちょっと戻ってきて」と(笑)。音悪いし、Michaelのイスがギシギシいう音も入ってたりしたんですけど「まあ……しょうがないからいっか」みたいな(笑)。基本的に台本無しでやってるから、録り直しができないんですよね。そうだ、台本は作らない、編集はしない、演技しない、無理矢理にテンション上げたりしないとかっていうのは、いちばん最初に決めておいたことなんです。

──ニュースはおふたりが持ち寄るんですか?

だいたいひとり6個ずつとか選んで、そこから3つずつに絞ります。基本的に私が最初に読んでるものは私が選んだニュースで、Michaelが最初に読んでるのは、彼が選んだやつなんです。

──そうだったんですね。わりとセクシャルなテーマも多くチョイスされてますが、あれは……。

いやー(笑)。基本的には、お互いが面白いと思ったニュースを選ぶ感じなので……みんなが何を面白いと思うかっていうのを考えだすと、たぶん変になっちゃうっていうか。もう自己中に、自分たちが面白いと思ったニュースを選ぶって感じです。基本的には直感で。「あ、なんだこれ?」っていうのを(笑)。あとやっぱり私とMichaelで個人的に興味があるものっていうのがあって。Michaelだと宇宙の話とか、最新科学とか、ロボットとかなんですけど、私はけっこう社会issueに興味があって。

──ソースはどういうものを当たっているんですか。

普通に“ABC NEWS”とか、そういうニュース系のサイトとかを。ニュースって、ひとつひとつのメディアで見るとけっこう短いんですよ。あんまり詳細に触れてないし。特に翻訳記事だとかなり端折られちゃったりするから、なるべくたくさんソースを見て、それをつぎはぎして、まとめたものを紹介するようにしてますね。

──裁判記録を調べたりもされてるじゃないですか。パジャマの上から男性器を噛み切った人の話とか。

気になっちゃうんですよね(笑)。押尾学さんの公判記録とかも全部読んで。気になりすぎて。面白いんですよやっぱり。裁判ケースは面白い。

──番組はバイリンガル形式ですけど、普段はMichaelとは英語で話されるんですか?

普段は99%英語です。このバイリンガル会話形式って、実はかなり不自然なものじゃないですか。けっこう慣れるまで大変で……いまも大変なんですけど(笑)。なのでヒートアップすると英語が出ちゃって、途中で「あ、やばい」と思って日本語に切り替えるんですけど。

──番組内でふたりとも英語でディスカッションするときがあるのは、あえてじゃないんですね。

やっぱり英語で話されると、英語で考えちゃうので──いつもはそれを日本語に変換するんですけど、議論が白熱して「早く答えたい!」って思うと、どうしてもそのまま英語で言っちゃいますね。そういうときに日本語で話すとしても、いったん英語で考えたことを日本語に変換しなきゃいけないから、日本語がなおさらへたくそになるっていう(笑)。ただ、Michaelが言ってることを訳すのはやりたくないんですよ。Michaelが言ってることがわからない人でも、私の日本語のリアクションを聞くとなんとなくわかるっていうのが、もともとの目的だったので……っていうのは一応なんとなくですけど(笑)、でもそこは意識してます。

──いわゆる「英会話の番組」として、考えている部分もありますか?

「英語を教える」っていうつもりはまったくなくって──単語の説明とかまったくしないのはそういうことなんですけど、ふたりとも英語の先生の資格があるわけじゃないので、ちゃんと教えられるわけじゃないし。……大学生のときにGabaで英語の先生のバイトをしたことがあるんですけど、でもまあ、あんまり向いてないんです(笑)。教えるっていうのは、あんまり好きじゃない。変にテンション上げなきゃいけないし(笑)。英語っていっても、ただの言語のひとつだから、耳が慣れてくればそんなに怖いものじゃないっていうのだけ、わかってくれればなと思うんです。あとMichaelがどっかのインタビューで言ってたんですけど、英語の定型を覚えたところで、実際の会話でそんなに使われないし、だから「どういうふうに英語で言うか」よりも、「どういうふうに英語で考えるか」のほうが大事だと。この番組を聞きながら、そういう部分を感じ取ってもらえればなって──Michaelが言ってました(笑)。あとは、お互い素のリアクションを出したいから、打ち合わせも最小限しかしないようにして。

──意見が食い違って、ヒートアップする場面もよくあって。

お互い負けず嫌いだから……バレてると思いますけど(笑)。普段もけんかとかよくするし、いろんなissueがあって、そのなかでふたりの意見が違うこともよくある。そこで自分の持ってる情報が少ないと負けるから、いろいろいろネットで調べたり(笑)。メールとかでもそういう議論になるんですよ。だから調べつつ、打って、みたいな。何やってるかわからないですけど(笑)。

──どういう議論をされるんでしょう。

古代宇宙人の話とか、ピラミッドは本当は誰が建てたのかとかっていう……結論の出ない話を(笑)。そういうときはメールもチャット状態で、延々4、5時間もやってたらソフトバンクからメール止められちゃった。スパム扱いになってMichaelにだけ送れなくなった(笑)。そんな感じで、基本Michaelと話をしない日はないんじゃないかな。

──話題も議論も尽きない。

必ずしも意見が合わないからこそ、いつまでも話せるんでしょうね。それにMichaelは日本で育ってるけどインター(ナショナルスクール)に通ってたから、外国人目線の部分もある。私はずっと日本で育ってるから日本人目線の部分もある。Podcastでもその違いをそのまま丸出しにしてるっていうか(笑)。番組として無理にまとめなくてもね? 別に意見が違ってもいいじゃん、っていう感じで。



◎日本のことは、大好き


──Michaelは日本育ちなんですね。

日本育ち。お父さんがアメリカ人、お母さんが日本人で。でも、インターにもよるんですけど、Michaelが行ってたところは日本語が必須じゃなかったり、カリキュラムも完全にアメリカのだし、先生も外国人がほとんどだし、校内のカルチャーもほんとにアメリカ! っていう感じなので。だからけっこういるんですよ。日本生まれ日本育ちだけど、インターに行ったから日本語全然わかんないとか、考え方とかも日本人とは全然違うっていう人も。

──Mamiさんは、Michaelに日本のよさを力説されることも多いですよね。

海外に行けばいくほど──もちろん海外のよさもあるんですけど、日本ってやっぱりいいなあって思って。だけど日本人って謙虚だから謙遜しちゃって、日本のいいところをあんまりアピールできてないというか。政府もそうですけど。それだとちょっともったいないなあっていつも思ってるから、Podcastでもそれが出ちゃってるかも(笑)。

──Mamiさんの思う日本のよさとはなんでしょう。

やっぱり、まず人ですかね。安全っていうところにも関係すると思うんですけど、基本的に他人をだましてやろうとか、お金をふんだくろうみたいなところが、もともとないじゃないですか。財布を落としても返ってくるとか──滝川クリステルさんみたいなことですけど(笑)。でもそれはまさに、日本にしかないいいところだし。それにPodcastやっててすごく思うのは、TwitterやFacebookのコメントでもみんな本当に丁寧で。オンラインですらも礼儀正しいっていう。街もきれいだし。

──海外に移住したいとかはあまり思わないんですか?

そう思うときもあるんですけど、やっぱり日本はごはんもおいしいし。ごはんがこんなにおいしい国ってほかにないですよね。和食が大好きなんですよ。玄米ばっかり食べます。納豆だけは食べられないんですけどね。あと和菓子も好きで……いっつもドラ焼きとか食べてる(笑)。あと見た目もかわいいじゃないですか。ねりきりとか。温泉も好きだし、あと私、岩井俊二監督の『花とアリス』が好きなんですけど、それ見ても「ああ、日本って美しいなあ」って。以前は休みがとれたらすぐヨーロッパかどこかに旅行に行ってたんですけど、国内も回ってみたいなあって最近は思いますね。京都に行ったときはテンションが上がりました。

──Podcastは世界中どこでも聞けるから、全国からフィードバックがありますよね。

そう、日本全国に聞いてくれてる人がいて。その地方ならではの写真を送ってくれたりするんですよ。それにたとえば過疎地の話をしたら、実際にそこに住んでる人がコメントくれたりとか、捕鯨の話をすれば、捕鯨の町に住んでる人からフィードバックをもらえたりして、自分たちもより勉強になるっていうのもあります。そういう、普通に暮らしてたら聞けない方々の声も届くので、本当にありがたいですね。

──一般のメディアだったら、たとえば捕鯨なんかでも「こういうアプローチはやめておこう」みたいな方向付けが入ったりすると思うんですよ。でも「バイリンガルニュース」はかなり自由で、率直に意見も言いつつ、同時に自然な配慮も行き届いてるというのがすごいと思って。

わ、うれしい! そうですね、でもやっぱり聞く人が増えれば増えるほど、何かを言ったことによって不快に思う人はいるわけで。こっちがまったく思ってないことでも違うふうに受け取られることもあるんですよね。それはまあ仕方のないことだし。だからなるべく不快な思いをさせないようにしつつ──ただ、スポンサーが付いてないからなんでも言えるっていうのも、うちのいちばんの売りで。捕鯨の話でいうと“The Cove”っていうドキュメント映画はかなり有名じゃないですか。でもMichaelはたぶん「え、そこ行く?」って思ったと思うんですよ(笑)。でもそういうのも言えちゃうっていうのは、いいとこなんじゃないかなって思う。

──普段の生活でも、誰かに迷惑がかかることじゃなければ、本来なんでも遠慮なく言ったりやったりしていいはずなのに、日本ではそうでもないことも多いでしょう。

確かに。うちのルームメイトは帰国子女で、小学校何年生かのときに日本に帰ってきたんですけど、腕時計をしていたら「あ、腕時計なんかしちゃって、いけないんだー」って言われて。それがそんなに悪いことだっていうのが、どうしても理解できなかったっていう話をしてて。

──ありますね。

日本だとそこで疑問を持たないっていうか、疑問を持ったとしても「なんで?」とか「どうして?」っていうのをあんまり言わないでしょう。「どうして学校に腕時計をしてきちゃいけないんですか?」って聞いても、先生も多分答えられないし。あんまり言うと反抗してると思われちゃう。日本人同士が話すときも「なんでそう思うの?」っていうのは、あんまり聞かないから──

──察することですませちゃう。

それはもちろんいい面もあると思うんですけど、アメリカとかにずっといて日本に来た人は引っ掛かっちゃうところなんですよね。私とMichaelはお互い「なんでそう思うの?」ってずけずけ言うし、自分から「私はこう思う、なぜなら」っていうのを言うじゃないですか。Twitterとか見てると、「そこが新鮮だ」って言ってくれる人もいて。だから会社に勤めてたときも──外資だけどけっこうドメスティックな会社にいた頃は、仕事が終わってもみんながオフィスを出るまで帰っちゃだめだ、とかって言われるんですよ。するとやっぱり最初のリアクションとして「え、なんで?」ってなるじゃないですか(笑)。でも暗黙の了解だし、上の人も理由を説明しないっていう。そこは不思議に思うところで。

Mami(マミ)

1986年生まれ。日本生まれ日本育ち。
2013年5月より友人のMichaelとバイリンガルニュースの運営/出演開始。
それ以前はコミュニケーション・コンサルタントとして外資系企業に勤務。


バイリンガルニュース
 
2013年5月にMichael &Mamiによって配信が開始された無料Podcastコンテンツ。当初は1回15分程度だったが、現在は毎回1時間強。毎週月曜日と木曜日の2回更新されている。Michaelは英語で、Mamiは日本語でニュースを読み、対話する。「発言に制約を設けたくない」とスポンサーは入れない主義で運営中。
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