小説にサウンドトラックはあり得るか 菊地成孔 第11回 レヴィ=ストロース1 小説の記憶が求める音を掬い上げ、想像のなかで戯れるという至福の試み
第11回は、20世紀最大の“知の巨人”クロード・レヴィ=ストロースについて。
クラシック音楽を愛し抜いた彼が、密林のなかにあってなお追い求めたものに迫ります。


『サンパウロへのサウダージ』(クロード・レヴィ=ストロース著/今福龍太 著・訳)
1935年、サンパウロ大学の招聘でブラジルに降り立ったレヴィ=ストロースは、ライカを手にサンパウロの街区を歩き、都市の日常をスナップ写真に収めた。それから半世紀を経て、日本人の文化人類学者・今福龍太がレヴィ=ストロースの足跡を辿る旅に出る。写真から立ちのぼる喪失と憧憬の感情と、このサウダージの感触に導かれて彼の地を歩く人類学者の思索は、「人類学者の営みの根源」へと読む者を連れて行く。





『憂愁のノクターン』(フジ子・へミング)
フジ子・ヘミングの十八番といえるショパンを中心に選曲したバラエティ豊かなピアノ曲集。「ラ・カンパネラ」の新録も収録。



菊地成孔(きくち・なるよし)

1963年、千葉県生まれ。音楽家、音楽講師、文筆家。84年にプロデビュー。その後、デートコースペンタゴン・ロイヤルガーデン、SPANK HAPPYなどのグループを主宰、現在は菊地成孔ダブ・セクステット、菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールで活動中。著作デビューは03年『スペインの宇宙食』(現在小学館文庫)から。対象は音楽、映画、料理、服飾、格闘技と幅広い。 近著に『ユングのサウンドトラック』(イースト・プレス)、大谷能生との共著で『東京大学のアルバート・アイラー』(文春文庫)、『アフロ・ディズニー』(文藝春秋)など。
2010年9月には『アフロ・ディズニー2 MJ没後の世界』と、菊地成孔の00年代の音楽家としてのベストワークス「闘争のエチカ」(上下)も発売になった。