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この研究のここがスゴッ!

Lab:015b NTTドコモ 先進技術研究所 福本雅朗




「ウェアラブルな携帯の未来」


 NTTドコモ先進技術研究所は、通信インフラなど、ものすごく重要な研究をたくさん進めている施設です。そのなかで、福本さんの研究チームは、携帯電話が将来どんな姿になるのかを、日々研究しています。
 近い将来、携帯電話や、コンピュータをポケットやバッグに入れる必要すらなくなるかもしれません。腕時計をして、メガネをかけて指輪をして出かけると、体全体がスマートフォンになる。それがウェアラブルのもたらす世界です。
 携帯電話やパソコンは年々小さくなってきました。しかし、ここ数年、ボディ自体の小型化は一段落して、そのかわりに、中身をぎゅっと詰め込む方向に進化しています。つまり、これ以上ボディを小さくしてしまうと、使いにくくなってしまうということです。1980年代にカード型電卓というのが流行しましたが、薄すぎてポケットのなかで曲がってしまうという弱点がありました。ボタンを押した感触も弱かった。
 小型化とインターフェイスの使い勝手の相反性は画面とボタンを使っているかぎり、宿命というべきものです。福本さんはそこを突破しようとしているのです。
 その解決策が、前回ご紹介した3つのデバイスなのです。デバイスが複数あるということも重要です。ここ数年で携帯電話の主流となったスマートフォンは、1台のなかに、さまざまな機能を盛り込んで、便利にしていこうというものです。それに対して、福本さんが考えているウェアラブルは、それぞれのデバイスに個々の機能を持たせて、複数身につけることで、結果的により軽く、より使いやすくしていこうという考え方を採っています。それぞれがスペシャルな役割を果たすことで、より使いやすさを追求できるというわけです。

 キネクトに代表されるような、ジェスチャーで入力するデバイスについてまわるのが、「誤入力」の問題です。"右"と入力したつもりが、ふり戻した手の動きによって左にいってしまったりするというようなことが起こります。その誤入力を防止するための研究もされています。ubibuttonの「トン、トン、トトトン」というリズムは、日常生活で偶発する確率がとても低いリズムを選んでいます。誤入力の少ないリズムを割り出すために、何人ものモニターにセンサーをつけて、どんな振動、どんなリズムが日常生活のなかに潜んでいるかを調査したそうです。眼球で操作するイヤホンも同様、日常生活のなかで、そこまで急激に眼球を動かすシーンはほとんどない、という事実から考え出されているのです。

 腕時計型PCと聞くと、SF映画を想像してしまうかもしれません。しかし、実際には、かなり実用面まで考えられて現実的な研究が進んでいます。そんなに遠くない未来、福本さんの研究室は、きっと携帯デバイスの世界に大革命を起こしてくれると思います。

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