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この研究のここがスゴッ!

Lab:016b 五十嵐デザインインターフェイスプロジェクト 渡邊恵太




「家電との付き合い方の未来」


 今回ご紹介した渡邊恵太先生が所属している、JST ERATO 五十嵐デザインインターフェースプロジェクトは、以前マトグロッソにもご登場いただいた、東京大学 五十嵐健夫先生が総括しているプロジェクトで、映像表現、生活デザイン、ロボット行動デザインといった最先端の分野で、誰もが表現活動を手軽にできるようにするための技術開発を行っている組織です。渡邊先生は「ロボット行動デザインのための技術」というグループで研究を行っています。

 1950年代に白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫が「三種の神器」と呼ばれるようになって以来、家電は一般家庭にとってなくてはならない生活必需品の主役でした。しかしこれからは、家電そのものは姿を消して、どういう効果が得られるかという部分(機能)に注目が集まる世界になると、渡邊先生はおっしゃっています。
 渡邊先生のイメージしている未来の部屋では、エアコンもテレビも扇風機も、すべて壁の中に隠れていて、エアコンを操るというより、部屋の風とその温度を操ることになるのだといいます。
 これからの家電とは、センサー、操作するためのインターフェース、効果を生み出すための機械部分(例えば風を吹き出すなど)がバラバラに部屋のなかに埋め込まれていくことになるのかもしれません。

 皆さんはリモコンを使うとき、家電に向けて「命令する」という明確な意志をもって操作をしていると思います。しかし、命令すべき対象が消えてしまうと、どこに向けて操作すればいいのかが曖昧になってしまいます。なので、家電が物理的な存在感を消すことと平行して、インターフェースも自然に生活行動の中に溶け込ませていく必要があります。意識せず、流れのなかで魔法のように操作できることを、渡邊先生は目指しているのです。

 じつはこの研究、将来ロボットが各家庭に普及するような世界になったときに、私たちがどのようにそれらと接していけばいいのかを考える入口になっています。
 これまでになかったものが登場すると必ず、それをどう使っていくかで混乱が生じます。大勢の人が戸惑います。そこで、私たちは、徐々に技術とともに発想を進化させ、検証し、先回りしてその時に備えていく必要があるのだと思います。
 家電は毎日使う、生活密接度の高いものです。家電との関係が豊かに、楽しいものになれば、私たちの生活は、とても楽しいものになると思います。期待しています!

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