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Lab:036 石川・奥研究室 石川正俊




「目にも留まらぬものを捉える」



 石川・奥研究室では、世界の最先端を目指して「高速の認識行動システム」を研究しています。つまり、とにかく速く捉えて、速く処理して、速く動かすということを目指しているのです。
 この研究室には「予測は禁止」というルールがあるそうです。それはつまり、予測して先回りするのではなく、そこにある情報を読み取って、即座に対処しなければならないということです。まるで、アスリートのような研究室だと私は思いました。

 映像のなかに出てくる研究、どれもものすごい精度とスピードです。そこには、まさに見たことのない世界が広がっています。それもそのはず、人間の目では捉えられない、人体の性能を上回る性能をもっているからです。「目にも留まらぬ」というのはまさにこのことなんですね。

「じゃんけんロボット」は、スローで見るとあとだししているようにも見えますが、実際には、人が手を振り始めたところで動きを認識し、振り終わるころには、ロボットはすでに勝てる手を出し終えているのです。
 正確にピンポン球を画面の真ん中に捉え続けるという技術も、これまでは実現不可能だった映像を見せてくれます。どんなにベテランのカメラマンでも、これを追いかけることは絶対に不可能です。
 これらの研究は、医療からエンターテインメントまで、幅広い応用ができる技術だと思います。私は、この完璧な動くものへのプロジェクションマッピングを使えば、ものすごい映像世界ができると期待しています。

 タイムラグがないセンサー技術というのは、これからの世界にとって、とっても重要になってきます。
 たとえば、セキュリティ分野に応用すると、指紋や虹彩、顔を瞬時に認識することによって、瞬時に判定ができます。これはまだまだ普及しているとはいえない生体認証を広めることにつながり、これまではスピードの問題で導入できていなかったところにも使うことができるようになります。
 自動運転技術にも応用できるでしょう。前方に障害物を察知すると自動でブレーキをかけてある一定速度まではぶつからない「プリクラッシュセーフティ」という技術がすでに実用化されていますが、センサーもアクチュエーターももっと高速に制御してやることができれば、危険を回避する能力を飛躍的に高めることができるでしょう。
 ほかにも実用化や他分野への応用を進めている研究がたくさんあり、本をパラパラめくるだけでスキャンできてしまう「ブックフリップスキャナー」は2013年中の実用化を予定しています。

 石川先生の研究は、見たことのない世界を私たちに見せてくれるという意味でも、安心安全な社会に貢献するという意味でも、目が離せない研究なのです。

研究室のyoutubeチャンネルに、今回紹介しきれなかった研究がたくさんアップされているので、チェックしてみてください。

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