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Lab:042 東京大学 下山研究室




「心を育てる、強くするためのアプリケーション」


 下山研究室は、東京大学の教育学研究科に所属し、そこで臨床心理学を研究しています。
 臨床心理学は、うつや統合失調症などの精神疾患や心身症の改善、予防などに取り組む学問です。人と向き合い、同時に、社会の状況とも向き合わなければならない分野です。下山先生は長年、さまざまな問題と向き合い、数多くの方々のカウンセリングを行ってきました。
 うつなどの精神疾患は、報道などで頻繁に聞かれるようになっています。精神的な「生きづらさ」を抱えている人はとてもたくさんいて、彼らの日常生活をどうにかしてサポートできないのかというのが、下山先生の近年の命題だったのです。
 対面で行うカウンセリングは、限られた場所でしか受けられず、やはり敷居の高いものです。うつなどで悩んでいる方のなかで、いったいどのくらいの方が、自分のなかだけで悩んでしまっているのかは、はかりしれません。症状が悪化してしまえば、外に出ることすらできなくなってしまうかもしれないのです。
 そこで、少しでも自分の状況について理解を深め、そして必要であればカウンセリングに向かわせるための方法として、下山先生は、ウェブサービスやアプリケーションなどのインタラクティブ技術の活用をはじめたのです。

 映像のなかでご紹介した「うつ・いっぽ・いっぽ 」はうつを正しく理解するための、「いっぷく堂」は、自分の状態を記録するための、ウェブアプリです(※ベータテスト中です)。
 現在製作中の「ココロ・ストレッチ」は、日々いろいろなドリル(小さな課題)をクリアしていくことで、心を強くしていくというものです。さらに、「ココロ・ストレッチ」には、ネット上で臨床心理士のカウンセリングが受けられる機能が付加される予定で、これはとても画期的なことだと思います。
 
 日々の状態を記録するライフログや、遠隔で話ができる機能はウェブが得意な部分です。ひとつひとつの技術は、これまでになかったまったく新しいものではないかもしれませんが、それぞれの得意なことが効果的に組合わさることで、世の中を変えていけるようなものになる可能性はおおいにあると思います。その結果できあがったものは、イノベーション(まったく新しいもの)であると、いえると思います。

 ネットを使った臨床心理という手法が一般的なものになれば、これまで悩んでいたとてもたくさんの人々がきっと救われることになるでしょう。期待したいと思います。

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