医療・福祉施設などの公共空間で、宗教の枠を超えて
心のケアを担う専門職──臨床宗教師。
これまでのおさらいと描き下ろし分のエピソード紹介です。




これまでのおさらいと描き下ろしエピソード紹介



お寺の住職の妻として日々奮闘していた著者。 ある日息子が突然の病にかかる。その渦中の孤独と苦しみから「臨床宗教師」の研修を受けることを決意する。








◯臨床宗教師研修にやってきた!
◯くずかごになれる? 
臨床宗教師研修が始まるきっかけとなったのは、3.11の東日本大震災。研修は、その追悼巡礼から幕を開けた。宗教の枠を超えて集まった受講者たちだが、実際の現場で患者さんたちと向き合うことが、どれだけ難しいことなのかを知る。





◯私は何者ですか?
◯冬のお墓参り 
「宗教者としての全存在をかけて、人々の苦悩や悲嘆に向き合う」———それが臨床宗教師の役割。患者さんたちと向き合う前に、自分自身が何者なのか、どうしたいのか、何に苦しんでいるのか、を見つめる作業が始まる。





◯あの日の氷
◯どう聴き、何を話すか
◯これが人間の感情
人は皆、色々な悲しみを背負っている。その悲しみに寄り添うことができたら…そう願うも、ただそこに「居る」ことは想像以上に難しくて、自分の抱える問題を見つめ直すことになる。






なぜ「ただ居ること」に耐えられないのか、これまでの自分を振り返る。確かに期待に応えようと頑張ってはきたが、ちゃんと自分で自分の道を選んできたのだと気づく。
そんな折、とある病院でティーサービスが始まり、ある患者さんに叱咤激励され、「ケア」とは、一方的なものではなく、相互に作用し合い共有していくことの大切さを教えてもらう。




◯捨戒
未熟な自分のままで、誰かの側に行こうと決意した著者は、ミャンマーで尼になってから、ずっと守ってきた戒(仏教徒が守る生活上の決まり)を捨てる決意をする。





◯マンガ、描きます!
いつか臨床宗教師の仕事をマンガに描こう!と思っていた著者。しかし、自分自身が迷いの最中にいる今、そんなことはできそうもないと弱気になるが……。





◯思い出の帰る場所
老人ホームで重い認知症の患者さんたちのボランティアをしている著者。「思い出せない」「わからない」ということがどれほど辛いことなのか、胸が苦しくなる場面に数多く出会う。





◯譲れないもの
病院であるスタッフさんから、なぜあなたたちが介入する必要があるのかと、臨床宗教師の役割を問われる……。





◯いい寺嫁、という幻想
「臨床宗教師はこうでなければならない」。知らず知らずのうちに、そんな考え方に凝り固まっていた自分。そういえば昔、「寺嫁」としての自分にもあるレッテルが貼られたことがあった……。





◯落ち葉の下から
大切な人を亡くした時、その悲しみは時と共に消えるものではないけれど、時と共にほんのちょっと少しずつ変化をしていくことに気づく。





◯支えとの出逢い
ある日、Dさんから絵のモデルになって欲しいと頼まれる。Dさんはかつて絵の先生に言われたことを話し出す。人間が生きていく上での「支え」の大事さ、尊さとは…。





◯笑って、ください
研修から3年過ぎた頃、自分でも気づかないうちに疲弊していた。「今のアナタは立たせられない」指導者にそう言われてしまった著者は……。





◯エピローグ
そして月日は流れ…。




連載を楽しんでくださった皆様、ありがとうございました。
これは臨床宗教師、天野和公さんのお話ですが、読者の皆さんにも「自分の物語」と重ね合わせて読んでいただければと思っています。 単行本をどうぞお楽しみにしていてください。




 



『その悲しみに寄り添えたなら』
天野和公 著
イースト・プレス 刊
1000円+税




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たくさんの方に読んでいただけますように。
2018/08/23 更新
  • マンガ 募集
  • コミックエッセイの森
  • 天野和公(あまの・わこう)

    1978年青森県十和田市生まれ。宮城県仙台市在住。
    お寺の生まれではないものの、小さい頃から宗教に心惹かれる。
    東北大学文学部(宗教学)を卒業した翌2002年、宮城県仙台市にて、夫と単立寺院「みんなの寺」を開山。