伊坂幸太郎・著『バイバイ、ブラックバード』(双葉社)刊行記念特別企画 結果発表!! 《第1弾》

短い期間にもかかわらず、たくさんのご応募ありがとうございました!
今回はまずQ1とQ2について、みなさまから寄せられた回答を発表致します。ほんの一部ですが、感想もいくつかご紹介させていただきます。


●Q1 6つの短編の中で、一番好きだったのは第何話?


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第1位 5話  女優・有須睦子とマネージャー佐野(45%)

第2位 2話  霜月りさ子と息子・海斗くん(17%)

第3位 4話  耳鼻科で出会った神田那美子(14%)

第4位 6話  星野の運命は如何に……? 最終話(11%)

第5位 3話  如月ユミと友人・好絵ちゃん(7%)

第6位 1話  苺狩りで出会った廣瀬あかり(6%)



【伊坂さんより】

よく考えてみれば、(当然ながら)どの短編も僕からすれば大事なので、「みんな、いい子なんだよな……」という気持ちはあるのですが、後ろの話になるほどつまらなくなる、というよりは、後ろに進んでいくほどおもしろくなる、というほうが好ましい気がするので、うれしい結果でした。




●Q2 この本に出てくる中で、好きな登場人物の名前と理由を教えてください。


第1位 繭美(27%)

◆ 人間なのか、何なのかわからない無敵っぷり、繭美のツッコミに何度笑わせてもらったことか……。(仁美 28歳)
◆ 強烈な存在感。彼女以外に考えられません。(山田)
◆ めちゃくちゃな存在だけど、どこか憎めない。(so1ro 25歳)
◆ ぼくに辞書を持ち歩くようにさせちゃったから。(田島 17歳)
◆ 言動すべてが、清々しくすら感じられるので。(みき 33歳)


第2位 如月ユミ(18%)

◆ 芯がある人間は、強いと思う。憧れる。(rai 29歳)
◆ 共感できる。(ハンナ 34歳)
◆ 飄々と前を向いて歩いている、さりげない強さと可愛さが好きです。(田平和子 42歳)
◆ そばにいてくれれば毎日が楽しいだろうな、と思い彼女を選びました。(stomachache 22歳)
◆ ものの考え方がぶっ飛んでいて、チャーミングです。こういう子が友達だったら、心強いなあ……と思いました。(So-la)
◆ 何ものにも縛られずにのびのびと生きている雰囲気が魅力的でした。(ago 20歳)


第3位 星野一彦(13%)

◆ お付き合いはしたくないけど、好きです。(メガ 20歳)
◆ 何でも出来るわけじゃないけど、自分の人間的弱さも認めた上で、運命を受け入れて一歩一歩強く進むところが素敵です。(湯浅美幸 17歳)
◆ 相手を傷つけない計算をしない(できない)生き方が魅力的。(ぷりも 46歳)
◆ まっすぐですごく優しいから。『グラスホッパー』の主人公に少し似ていると思いました。(ピロロン 21歳)
◆ 純粋な少年のまま大人になった感じが好き。(ロール 25歳)


第4位 マネージャー佐野(12%)

◆ クールではあるが、冷たいわけじゃない。そんなところが好きです。(あしなが 21歳)
◆ 最後のシーンで佐野のファンになりました。(ひろとし32歳)
◆ 無表情の中にとても豊かな感情がみてとれるから。(室井理恵 28歳)
◆ 歌を口ずさむ場面がとても印象的でした。(せーや 18歳)


第5位 有須睦子(8%)

◆ ギャップにやられました。(鈴木啓太 28歳)
◆ クールなんだけど子供っぽいところ。(yori 32歳)
◆ オンとオフの切り替えが他のキャラクターよりもはっきりしていて共感が持てました。(mittan 22歳)


その他……
神田那美子
◆災難を誰かのせいにすることなく、ひとりで受け止めようとする姿がよかった。一番心にズシンときたひとです。(ぽん 17歳)
◆幸せになってほしい人ナンバー1です。(さっくり 19歳)
◆数字を愛する人には惹かれてしまいます。(miho 37歳)

霜月海斗
◆名刺交換の話がとても好きです。海斗くんの破壊的な可愛さに勝るものはありません!(富松 19歳)

霜月りさ子
◆こういう普通な感じの女の人好きです!(秋子 16歳)
◆年上好きなので……。(前田展宏 20歳)

不知火刑事
◆「ちらっと出てきたかっこいい人」なのが気に入りました!(りお 21 歳)

廣瀬あかり
◆一番対応がしっくりきて好き。お人よしっぽいところも高ポイント。(さかさ まか 22歳)

好枝ちゃん
◆浮世離れしているのんきさがたまらない。(梅雨空祭り 21歳)

ロボットみたいな耳鼻科医
◆仕事はロボットのようにこなすのに、娘への愛情は人間くさいのがいい。(あや 32歳)



【伊坂さんより】

回答が多岐にわたっているため、びっくりしました。まさか、耳鼻科医さんまで出てくるとは。そして、「如月ユミ」がこんなに上位に選ばれることも予想外でした。一応主役なのに、如月ユミに負けちゃう星野くんもいかがなものか。
個別の感想でも書いてくださった方がいるのですが、繭美のことは、いろいろな人から、「マツコ・デラックスさんを想像します」と言われます。実は、ここ数年、子供番組以外はまったくテレビを観なくなってしまい、僕自身はマツコ・デラックスさんのことを分かっておらず(本当に申し訳ありません……)、繭美に似ている人が実在するのか……、と少し驚いています。新鮮な登場人物を創ろうと思っていただけに、内心、忸怩(じくじ)たるものがあります。




●感想


熱い感想もたくさんいただきました。全部掲載できなくて申し訳ありませんが、抜粋していくつかご紹介させていただきます!

◆星野くんが哀れで仕方なくて、でも、味方はしたくなくて。救われてほしいけど、幸せにはしたくない。こんな感想をもつ主人公は初めてかもしれません。(さっくり 19歳)

◆なんといっても繭美のキャラクターは強烈でした。「私の辞書に○○は無い」とはいいますが、ホントにマジックで消すとは恐れ入りました。一体、自分の辞書には何の言葉が残るんだろうと考えると、ちょっと怖くもなりましたが。ちなみに繭美のことは、勝手にマツコ・デラックスさんと重ね合わせて読ませていただきました。(げんあん 26歳)

◆私の好きな雰囲気の伊坂さん作品はもう読めないのだと寂しく思っていたところだったのでとてもとてもうれしいお話でした。思いがけないプレゼントみたいで読み終えたくなかったです。(らみ 54歳)

◆不知火刑事が気になります!! (まめこ 32歳)

◆人は主観的に人生を送っているけれど、俯瞰して眺めるとそれぞれの物語がひょんなところでつながっていて、それぞれが影響しあって、その物語が続いていく……。いつも伊坂さんの作品を読むとそんな他人とのつながりみたいな感覚があたたかい感じを残してくれます。今回もそんな人と人との関係性みたいなものが興味深くてあたたかくて、続編を読みたくなりました。(ぷりも 46歳)

◆読み進むにつれ、残りページが無くなっていく……寂しかった。10股ぐらい読みたかった。(jellyfishstory 36歳)

◆4話の最後で、きゅんとして泣きそうになりました。伊坂さんの本を読むと、読み終わった後に、物語の中の空気感のようなワモワモしたものが頭の中に残ってしまいます。優れた小説とは、残ワモワモ感がある小説だと思っています。(瀬戸内おこのみボーイズ 25歳)

◆テスト期間中なのに、4回も読んじゃったじゃないか(汗)。(田島 17歳)

◆読み終えて、私なら5人の女性の誰と似た反応をするかな~と考えたり、(汗)を使いたくなったり、辞書を持ち歩きたくなったりしました☆(仁美 28歳)

◆<あのバス>に話が及ぶたびに心に穴が空くような気持ちになりました。この本を読んで様々な感想はあるのですが、それはなんだか捉え難い気持ちです。ただの寂しさでもないし、手放しで喜べもしないし、あたたかさもあるし……。(中略)私の中のあらゆる感動は「ぐわっ」という言葉で認識しているのですが、それで言うと、『バイバイ、ブラックバード』は「ぐわっ」の連続でした。別れにきた恋人の部屋で、星野さんが幸せな場面を思い出すたびに私も胸が締め付けられ、ぐわっときました。(湯浅美幸 17歳)



※次回、第2弾の掲載時にプレゼントの当選者も発表いたします!! 
 7月22日(木)、お楽しみに!!!

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      『バイバイ、ブラックバード』(伊坂幸太郎)  太宰治の未完にして絶筆となった「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、伊坂幸太郎最新作。双葉社刊。  
      『「バイバイ、ブラックバード」をより楽しむために』(ポスタル・ノベル編)  なぜこの作品を書こうと思ったのか、作品に込められた想い、創作秘話などを語った伊坂幸太郎ロングインタビューとともに太宰治「グッド・バイ」が収録された“副読本”。本編と併せて読むとより楽しい。   
  • 伊坂幸太郎(いさか・こうたろう)

    1971年、千葉県生まれ。作家。00年『オーデュボンの祈り』(現在新潮文庫)で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』(創元推理文庫)で吉川英治文学新人賞を受賞。08年『ゴールデンスランバー』(新潮社)で本屋大賞、山本周五郎賞を受賞。近著に、『マリアビートル』(角川書店)、『バイバイ、ブラックバード』(双葉社)、『SOSの猿』(中央公論新社)、『オー!ファーザー』(新潮社)など。