#061 森の泡

いまの時期、森の中からきこえてくる
コロコロ…コロコロ…
という声は、モリアオガエルのオスがメスを呼ぶ声です。

ふつうのカエルは池の中とか土の中に卵を産みますが、
モリアオガエルはなんと、湖面に張り出した木の枝の上に、
この写真のような泡を作って、その中に卵を産みつけます。
ときには三メートルくらいの高さに五つ六つできていて、
その正体を知らないと、ちょっと不気味に感じると思います。

数年前、近所の友人宅の人工池で産卵したモリアオガエルの卵が
孵化するシーンを観察させてもらったことがあります。
泡の中で小さなオタマジャクシがビチビチッと動いて、
池の水の中へポトン、ポトンと次々に落ちていきました。

私の中で「カエルの卵」というと、小学校の頃に観察した
トノサマガエルのそれが基準になっているので、
空中を落下するモリアオガエルのオタマジャクシを見たときには、
正直「変わっているにも程があるだろ」と思いました。

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  • 松原卓二(まつばら・たくじ)

    1965年兵庫県生まれ、静岡県在住。富士山麓標高約1000メートルの別荘地にてコンピュータ・ゲームソフトの開発を生業としつつ、大好きな動物たちの写真を撮る毎日を送っている。写真集に『笑顔のどうぶつ園』メディアファクトリー、『りすぼん』集英社、『モフモフ家族』東京書籍、『動物オメガ図鑑』『動物アルファ図鑑』マガジンハウス。「かわいさ」と「おもしろさ」をテーマに、動物たちの顔や体、しぐさなどをつぶさに観察するという独自のスタイルで、写真集を発表し続けている。