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日記をスタートしてからずいぶん経ちますが、 動物ω写真家の ω ってなんなの? と、思われた方も多いと思います。 スッゴクいまさらですけど、説明します。 ωはギリシャ文字Ωの小文字で「オメガ」と読みます。 私はωを「クチとその周辺」の意味で使っています。 子供の頃からずっと動物が好きで、 長じて犬を飼うようになった私は、 ある日の午後、愛犬のシェパードを撫でながら、 ふと、自問しました。 犬はカワイイけど、 その中で一番カワイイ部分って、 どこだろう? 「顔」だと大雑把だしなぁ。 眼? もちろん可愛いけど。 耳? うん。まあまあかな。 肉球? おう。かなりイイな! でもさ、クチのあたりのがイイんじゃない? 犬歯を覆ってこんもりと膨らんだ上唇だとか、 ほんの少しツヤツヤと見えている下唇だとか、 ツンツンと生えたヒゲだとか、 クチからハナにかけての垂直線だとか、 トリュフみたいなハナのテクスチャだとか… もう、このへん、たまらなくなくない? うん。そうだ。そうにちがいない。 「クチとその周辺」が一番カワイイのだ! そう気づいてからは、毎日犬の上唇あたりを触ったり つまんだりしながら生きて来たわけですが、 2008年の10月に、ふと思い立って、 「動物のクチとその周辺だけを集めた写真集」を作り、 「リトルモアBCCKS第一回写真集公募展」に応募しました。 そのとき写真にキャプションをつける過程で、 「クチとその周辺」だとリズムが悪いし、 「口吻」や「マズル」なども微妙にちがう… 艱難辛苦の末、アザラシのクチの形にヒントを得て、 「ω=オメガ」という言葉を考え出したわけです。 この時の公募展で佳作をいただきまして、 その後いろいろありまして、 マガジンハウスさんから写真集として出版して いただけることとなりました。 それが、この右のほうにリンクがある 「動物オメガ図鑑 カワイイのはクチでした」 であります。よろしければご覧ください。 今日の写真は、一緒に暮らしている、 ポメラニアンの黒丸くんです。 「動物写真は眼にピントがきてないとダメ」とよく言われますが、 私の写真にかぎっては、眼にピントがきてなくても良いんです。 だって私は動物ω写真家なんですから。 ピントはωに。
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  • 松原卓二(まつばら・たくじ)

    1965年兵庫県生まれ、静岡県在住。富士山麓標高約1000メートルの別荘地にてコンピュータ・ゲームソフトの開発を生業としつつ、大好きな動物たちの写真を撮る毎日を送っている。写真集に『笑顔のどうぶつ園』メディアファクトリー、『りすぼん』集英社、『モフモフ家族』東京書籍、『動物オメガ図鑑』『動物アルファ図鑑』マガジンハウス。「かわいさ」と「おもしろさ」をテーマに、動物たちの顔や体、しぐさなどをつぶさに観察するという独自のスタイルで、写真集を発表し続けている。