#103 トラツグミ

#103 トラツグミ

夏に山へキャンプへ行くと、
真夜中の森から聞こえてくる
「ヒィーー…ヒィーー…」の声。
その正体はトラツグミです。

「です。」って言いきってしまいましたが、
書物やインターネットではそう言われています。
ですが私自身は、実際に鳴いている瞬間を見たことがないので、
本当にトラツグミがあんな鳴き方をするのかどうか、
わからないぞと(0.01%くらい)思っています。

写真は早朝の暗い小道で出会ったトラツグミ。
地面をゴソゴソしてミミズを探している様子です。
遠く離れたところから何十枚か写真を撮って帰り、
あとでパソコンで確認したところ、
はじめは一度に3匹のミミズをくわえていて、
そのあとミミズをくわえていないカットが入り、
しばらく後に4匹くわえたカットがありました。

つまりトラツグミは、
捕らえたミミズ(たち)をいったん地面に置いておいて、
クチをフリーにした状態で新しいミミズをさがし、
全部まとめてくわえなおす、
といった行動をしているんですね。
今はたぶん子育て中なので、
たくさんの餌を巣へ運ぶ必要があるのでしょう。

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  • 松原卓二(まつばら・たくじ)

    1965年兵庫県生まれ、静岡県在住。富士山麓標高約1000メートルの別荘地にてコンピュータ・ゲームソフトの開発を生業としつつ、大好きな動物たちの写真を撮る毎日を送っている。写真集に『笑顔のどうぶつ園』メディアファクトリー、『りすぼん』集英社、『モフモフ家族』東京書籍、『動物オメガ図鑑』『動物アルファ図鑑』マガジンハウス。「かわいさ」と「おもしろさ」をテーマに、動物たちの顔や体、しぐさなどをつぶさに観察するという独自のスタイルで、写真集を発表し続けている。