#102 蝶とネムノキ
今朝も快晴、まことに気分がよろしい。
さっそく散歩にでかけると、
あ、散歩といっても私の場合は
のんびりとした普通の散歩ではなく、
一脚に付けた大砲みたいなレンズを肩に背負って、
汗だくでテクテク歩き回るという、
一見なにかの修行か、
はたまた刑罰みたいな感じのやつ、
それが私の散歩です。
で、今日もそんな散歩にでかけたところ、
七羽ばかりでくつろぐエナガの群れに出会いまして、
そのエナガ群を追って15分くらい歩いたところ、
林の中にそっと花をつけたネムノキで、
数頭のミヤマカラスアゲハが蜜を
すすっているところに出くわしました。
ナムノキというやつは、
葉も花もとても可憐で繊細で現実感が薄く、
さらにはその周りを音も無くヒラヒラと飛び回る
黒くてキラキラ輝く蝶たちよ。
あぁ、これは夢か幻か、まるで桃源郷のような…
と思ったのも束の間、
肩に食い込む大砲の重さに、
すぐ現実に引き戻されるわけです。